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映像演出家・スミスの人生相談【きょうもスミスがかんがえた Vol.12】スミス、「ロケハン」についてかんがえた(その2)

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こんにちは。映像演出家スミスです。

新年を迎えて、ようやく昨年のことを振り返る。よくここまでやって来れたなと不思議な気持ちになる。「今年もなんとかこの仕事を続けていけるように」が毎年の目標になる。とにかく飽きっぽい性格だ。一作品ごとに新しい楽しみを作り出せれば、この仕事を続けていける自信にもなるし、次に繋がっていくと信じている。

前回の続き。撮影の事前の下見、ロケーションハンティングでタイのバンコクを訪れる。最初に見た古いターミナル駅がとても良く手応えを感じて、気分が上がった。タイでは朝の8時に全国民での国歌斉唱があるらしく、駅にいる人々は仕事の手を止めて立ち上がる。土地独特の風習も演出のネタになるので、現地コーディネーターに根掘り葉掘りと尋ねてしまう。いくつかのアングルを確認して、次の場所へと移動だ。

ロケハンというと、ぶらぶら観光しているだけ的なイメージを持たれるかもしれないが、決して楽ではない。
まずシーン別にロケ地があり、それぞれを検証していく。各ロケーションには候補がいくつかあるので、それを全てみなければならない。さらに倍々に増えているロケーションに撮影時間があるので、できる限りその時間に見る必要もある。太陽の位置、人通り、街灯の明るさなど、撮影時に起きうることをできるだけ把握しておく必要がある。海の潮の満ち引きで撮影場所がなくなっているなんてことだってあるのだ。
一箇所に留まる時間は短い。観光どころではないし、ダメだと思ったら時間節約で、即移動。移動の連続で、一番滞在している場所は結局、車の中である。ちなみに今回は23時まで車の中にいた。

想像で予定していたような場所が見つかることは稀だ。しかし脳の中にあった場所を探しても仕方がない。現実と向き合う時には、柔軟性が必要である。元々のアイデアと場所から受けるインスピレーションをうまく混ぜ合わせて、新しい演出を生み出すことが大切だ。他のスタッフからの意見にも耳を傾ける。カメラマンの提案するアングル、照明部から聞く光の条件、制作部からの時間の制約など、要素は多い。これらをうまく解決することができたら、その場所で「撮影する意味」が生まれてくる。「そこでしか撮れないもの」を撮るためにこんなに遠くまで来たんだから。

さて、今回の質問です。

眠気を飛ばしてシャキッとするいい方法ないですか? (匿名年齢性別不詳)

イリーガルな方法は別として、とりあえず目を覚ます時は、ウロウロします。それでもダメなら、いったん眠る。眠気と忙しいが混じり合うと、編集してるのに企画考えたりしちゃって、余計に時間がかかってしまいます。なのでいったん撤退。朝早く起きて仕事すると、なんでこんなことに時間かかってたのかと不思議になります。結局、夜の仕事は「朝までに終らせればいいや」という甘えがあるので、進まないです。時間管理がちゃんと出来れば、もっと楽になるのは分かりきってるんです。でもそれが出来ないからこんな職業についているのかも。

人生、仕事、恋愛、くだらない質問まで、どんなことでも相談にのります。質問は、twitter:@smith0204へ、性別年齢ハンドルネームをそえて、お願いします。是非。

PROFILE

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スミス

武蔵野美術大学卒業後、竹内芸能企画にてミュージックビデオの第一人者である竹内鉄郎に師事。
2000年から演出家として活動し、映像に特化したアーティストを独自の表現で撮り続けてきた。
情熱的なパーティーチューンを得意としながらも、静謐で奇妙な作品も支持されており、動と静の作風を併せ持つ。
近年では、でんぱ組.incの夢眠ねむとの映像ユニット“スミネム”を結成し、活動の幅を広げている。
コレオグラファーとしても活動中。

Web:smith0204.com

Twitter:https://twitter.com/smith0204

Source: https://sams-up.com/feed/

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