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BENNY ILL × ISHIO DAIロングインタビュー

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Deep Medi MusicやTempaからのLPリリースした、現在も自身の新作やコラボ楽曲など多くの音楽制作を続けるなど、ダンスミュージックシーンの第一線で活躍中のBENNY ILL。DJとしても伝説的パーティとなっているFWD>>やDMZのパーティなど、世界的に注目を集めるイベントに初回から出演し続けている。

今回初来日ライブを披露するBENNY ILLに、大阪/UKを股に掛け、EFFECTIVE96 recordsを主宰するISHIO DAIがインタビュー。

インタビュー: イシオダイ
翻訳: aisha takashima

ISHIO DAI – 初めに出会ったのは、確か2015年のドイツで行われたSwamp 81((ダブステップのパイオニアと称されるLoefahが率いるレーベル))のギグだったんじゃない?それから、去年の夏に、Mixmagの配信ライブで、Loefah、Benton、Fabio、DJ Ron達と一緒のときに…。

BENNY ILL – そうそう、最初に会ったのは、Swamp 81の“81 Berlin – BBS Special”((Swamp 81が主催したサブレーベルであるBenton Beats(通称BBS)のイベント))の時だよね。TresorのOhm((ベルリンの伝説的テクノクラブTresorが位置する発電所跡地に併設されているスペースで、ここ数年のアンダーグラウンドシーンにおける最もホットな場所として話題になっている))で水曜にやったパーティで、ハードコアやジャングルやブレイクビーツ系っていう、Swamp 81の流れを汲むBenton Beats(BBS)らしいバイブスだった。ベルリンのクラブシーンの王道スタイルだと、週の真ん中のイベントだっていうのに、朝方の6時までとかもっと長くやってたりするんだけど、この時も俺たちが夜の9時ぐらいからプレイし始めて、結局みんな出たのは朝の6時55分だったね。ベルリンの灰色がかった木曜の朝の太陽が目がくらむほど眩しかったな。もちろん準備万端にサングラスかけてたけど。

その夜に出演したのはBBSの看板であるBenton、Swamp 81やDMZを代表するLoefah、ジャングルのベテランであるDJ Ronと、Hardwax RecordsのDJ HopsことGloveman、そして俺。この最強のラインナップから想像できる通り、期待に応える最高のパフォーマンスだったし、それぞれが得意とする独自のやり方で取り組んでいたから、この日のテーマであったジャンルの領域内でも、とりわけかなりの幅の広さを見せれたんじゃないかな。俺は、88年から91年あたりを含んだ初期のブレイクビーツを選曲して、Bentonは、自分のダブプレートとジャングルやハードコアの音源を混ぜたり、Loefahは、同じみな感じでハイクオリティなジャングルの曲を色んな年代からセレクトして、DJ Ronは、93年から96年のジャングル系を、Gloveman(DJ Hops)は、レコードコレクターとして有名だけど、レアなハードコア系のレコードを豊富に聴かせてくれたね。関係者一同にとっても伝説的な夜だったよ!個人的にも忘れられない思い出だね。

今年の夏にロンドンのイズリントンで開かれた”Mixmag Bunker: Benton Beats”も、ラインナップは少し違うものの、似たようなBBSのイベントだったね。その時は、俺とLoefah、Benton、そしてDJ Ronが出演して、俺の子供の時からの憧れであるFabio(説明はもちろん要らないよね)に参加してもらって。それからDMZで有名なSergeant Pokes と、Swamp 81のレギュラーでありながらファッションブランドSportsbangerのオーナーである、無類のJonny Bangerにも、MCとしてサポートしてもらったんだ。この時の選曲も、同系統のものが中心だったけど、ちょっと違うのは、アシッドハウスから、ハードコアやジャングル、ドラムンベースまでを含んだものだったね。これまたBBSブランドならではのジャンルの中でも、良い感じで幅の広さを見せれた機会だったね。あ、この音源はMixmag Bunkerのサイトのアーカイブで聴けるよ。

ISHIO DAI – 11月に一緒に日本でやるパフォーマンスに対して、何か意気込みはある?

BENNY ILL – 日本に行けることも楽しみだし、特にこのイベントでプレイすることに対しては最高にエキサイティングに感じているよ。イベントの開催場となるレコードショップのCompufunkは、ここ数年のアンダーグラウンドダンスミュージック界において評判が高いと有名だし。ここ数年間でコレクションしてきた音源とか、自作の音源も含めて、俺の気に入っている色んなテイストの音楽をお披露目できるのを楽しみにしている。今回が日本で初めてのパフォーマンスデビューになるから、一層楽しみだよ。長年世界中でDJやリリースをしてきたから、日本にも俺がやってきたことを知っていてくれている人がいるだろうとは思うけど、今まで聴いたことがない人にも俺の音楽を聴いてもらうことが出来るのは嬉しいよ。

ISHIO DAI – 日本に来るのは初めてなんだよね?どんな場所か、何かイメージはある?

BENNY ILL – そう、今回は初めてのパフォーマンスというだけではなくて、日本に行くのも初めてなんだ。昔っから日本の文化や歴史には興味を抱いていたから、とても楽しみだね。俺は大のアジア映画ファンだから、日本の映画はたくさん見てきたよ。だから、多少の地理や風景やどういうところかっていう一般的なイメージはあるほうかと思ってる。それから、モーターカーの熱狂的ファンでもあるから、日本のクラシックカーは長年運転してるし持ってるよ。そういう趣味を通しては、日本のことは少し学んだけど。ただ、東京と大阪のアンダーグランドミュージックシーンについてはそこまで知らないから、少し知れる機会になるかな。

ISHIO DAI – 2016年にリリースした前回のHorsepower Productions((ベニー・イルとジェイ・キングで構成されるエレクトロニックデュオで、元々は他メンバーも含めたグループとして数々の実験的なガラージ系楽曲をリリースし、ダブステップの開拓に貢献した))のアルバムは最高だったね。その後はどんな活動を?

BENNY ILL – 前回のアルバム”Crooks, Crime & Corruption”の出来栄えには本当に満足しているんだ。色んな音楽のスタイルをフィーチャーしていて、最初から最後まで通して聴くためにデザインされた、良いリスニングアルバムになったよ。ただ、幅広いテイストの音楽が好きな人向けだから、万人向けではないかもしれないね。でも、少なくとも1トラックか2トラックぐらいは誰でも気に入ってもらえる内容になっていたらいいよな。

ISHIO DAI – レコードのパッケージもすごく気に入っていてね。ロンドンのGiveUpArtのStuart Hammersleyがデザインしてくれた。彼は、多数のTempa RecordingsのアルバムカバーとかRinse FMのデザインをやっているんだけど。LPのパッケージは、パッキング用の粘着テープにタイトルとトラックリストが印刷してあって、一枚ずつ手作業でそのテープが貼られているから一枚一枚のアルバムがユニークなものになるっていう、クレバーなデザインなんだ。こんなデザイン今まで見たことないし、恐らくレコードのパッケージデザインで初めての試みだろうね!そのアルバムが発売された後、いくつかのソロプロジェクトに集中したり、レコーディングやミキサーやマスタリングなどの技術的な専門性に優れた他のアーティストとの仕事もしていた。DJ出演をする時間も出来たから、ドイツ、イタリア、ハンガリー、オランダ、アメリカにプレイしに行ったりもしていたね。

ISHIO DAI – 最初のリリースは80年代だよね?それからTempaやSwamp 81など、UKのインディペンデント系におけるトップレーベルからリリースをしていて…。どういう経緯だったの?

BENNY ILL – 80年代後半にDJで実験的なことをし始めたんだけど、90年代初頭までは音楽制作はしてなかったよ。最初のリリースは1993年。俺と、ミュージックパートナーのBill Fullerで、初期の制作をして、Sonar Audio Researchというレコードレーベルを立ち上げたんだ。そこでは4作品ほどリリースした。ほとんどが自分達が制作したものだったんだけど、最初にしてはなかなか良い結果がでたね。音楽的には、アシッドハウスやテクノのかなり実験的なもので、それが注目を得てリリースをまずは一緒にできたり、それぞれ違うレーベルでもリリース出来たきっかけになったよ。そうやっているうちに、ドイツのテクノシーンを牽引したレーベルであるHarthouseのロンドン傘下であるHarthouse UKに気に入ってもらえて、”Bill & Ben”として12インチの楽曲とアルバムのレコーディングをさせてもらったんだ。この時も、実験的な感じの楽曲で、ジャンル的にはダブ、テクノ、ヒップホップ、ファンクの要素を取り入れたものだった。

しばらくして、1998年頃に、Horsepower Productionsとしての楽曲制作に取り掛かり始めた。元々その前に俺とDJ友達たちで、同名でサウンドシステムの活動をやっていたんだけど、その後に俺がMatt HorsepowerとNassisとタッグを組んでUKガラージ系の楽曲制作をしていて、それがTempa Recordingsレーベルから出た最初の4つか5つのリリース作品になったね。ダブステップのシーンで知られるようになってくると、TempaとかMalaのDeep Medi Musikでも他にリリースすることになって。それから2007年頃には、Swamp 81のLoefahと未発表楽曲の制作をし始めて、彼のクラブイベントやラジオ番組でもDJするようになって、それがBBS系のリリースとか仕事につながって、今に至るね。

ISHIO DAI – 僕のレーベルから、コラボレーションでアナログ盤を出させてもらうことになったけど、なんでOKしてくれたの?

BENNY ILL – まず、Effective96から最新のHorsepower Productionsのトラックがリリースされるってことを発表できて嬉しいよ!俺とMatt Horsepowerとで、前作のアルバム以降、一緒にコラボレーションをしてトラックを作り続けているんだ。アルバムの発売は2016年だったけど、実は中身は2014年には完成していて。ほとんどのネタがまだ発表されていない状態なんだけど、Effective96からリリースされる12インチ盤のトラック提供の話をもらったから、新曲をいくつか完成させたんだ。たくさんの人が知っているように、俺たちは常にアナログレコードという形状をサポートしてきていて、同じ気持ちを共有できるレーベルオーナーの元からリリースする機会があれば、もちろん承諾したいんだ。それにこのリリースで発表するトラックは、俺たちの新しい方向性を見せられる機会にもなるし、日本のマーケットにおける良いスタートになればいいと思ってる。

ISHIO DAI – 最後に、これからの10年、音楽シーンがどうなっていくか想像していることがあれば教えてほしいんだけど…。

BENNY ILL – この10年間は音楽シーンにとって不思議な時期だった。インターネットの発達によって、僕らがどう音楽を聴くかが変わったし、音楽の広まり方や届け方も変わった変革期だった。トラックが数秒以内に世界中の各地に届くようになり、地理的なローカルの音楽に世界レベルのシーンへつながる道が与えられた。一方で、全く新しいジャンルは、孵化する時間の欠如により、発達に苦しんだ。なぜなら、以前は時差がアンダーグランドダンスミュージックシーンにおける強いローカルムーブメントの発達に貢献していたから。音楽シーンがイケてなかったという意味ではなくてね。アーティストからのアウトプットは豊富にあるし、今や前代未聞の数のイベントがあって、それらは新しいものを発表できる機会ではあるわけで。だから、広範囲に渡るダンスミュージックシーンにおいては面白い発展があったと感じているんだ。ミュージシャンは新しいバイブスを作り出そうとしているし、僕の個人的意見では、全体的にリスナー達のテイストにおいて折衷主義へ向かう動きがあるように感じている。今までよりもっと多くのオーディエンスが、違うタイプの音楽を楽しむ姿勢を持つようになってきていて、新しいアイディアやクロスオーバーにオープンになっているような気がするんだ。これって健康的なことだと思っていて、昔に比べると一辺倒のジャンルに傾倒していなくて、クリエイティブなことに対して新しい機会がたくさんあるってことだよね。コンピューターやソフトウェアが普及して、音楽制作の方法も、広範囲に普及しているという意味でも手頃な価格になったという意味でも手に届きやすくなったから、プロフェッショナルとして音楽制作をする人の人口がどの地域や年代や職業でも増えたし。

一部では、音質や出来栄えの好みで、アナログ機器の使用への立ち返りも始まっているよね。ある意味では積極的な姿勢とは言えないんだけど、特に金銭面では…でもある意味、前進やクリエイティビティがより許容されやすい状況でもあると思うんだ。比較的新しいダブステップのようなジャンルは、この10年間で色んなスタイルに変容してきたけど、それも時には昔のスタイルへの立ち返りやそこからの改革だったりもしたし、時には全く新しい創造性と共に起きたことだった。ハウスやテクノも似たような発展を遂げてきたよね。そういう変容によって新しいオーディエンスやマーケットが増えることで、シーン自体の発展が後押しされる金銭的な土台が与えられ続けたんだ。アンダーグランドシーンのトラックベースの売上を見ると、アナログ盤での売上が落ちていて、ストリーミングやデジタルの収入はそもそも低い。ただ、イベント出演やDJの利益率は上がってきていて、たくさんの新しいチャンスもあるから、それが色んな意味でアーティストが音楽を継続していくための資金源かつ原動力になってきている。

これからの10年に起きることは、いつの時代もそうであるように、予測は難しい。僕のソロプロジェクトやHorsepower Productionsのことでいうと、僕ららしい色を保ちつつも、実験と創造をこれからもやり続けるつもりだ。新鮮な感覚を持った新しい世代のオーディエンスが音楽を楽しみ、過去のミュージックシーンを紐解いていく中で、以前のスタイルへの立ち返りやそこからの改革が起こるかもしれないという可能性はあるね。それからクラシックなジャンルの中でもクリエイティビティの余地は常にあるからね。僕らがリスナー達を遠ざけずに、境界線を壊す心持ちでさえいれば。例えば、UKガラージのような既存シーンにおいても、横道にそれすぎなければ、今までなかった新しい切り口が登場するかもしれない。今の若い世代のプロデューサー達が、彼らより前の時代のジャンルの中に今までなかったような発展の可能性を探ったら、前向きな突然変異やクロスオーバーや組み合わせが期待できるかもしれないよね。いつも通り、僕は個人的に何か新鮮で新しいものが音楽シーンに浮かび上がってくるのを楽しみにしているよ。多くの他の音楽ファン達と同様に。でも時間だけが、本当にそうなるのか、どんな形で起こるのかを教えてくれるんだけど。

今まで言ったことは、今までとこれからについての僕の個人的な見解だから、みんなそれぞれ意見や好みや、音楽に対する考え方があるだろうし、もちろん主観的な話だよ。ある人はある領域から興味を失い、ある人は新しい可能性を見出すかもしれないしその存在に意義を感じるかもしれないから、僕が言うような進化が必ずしも唯一の道ではない。つまるところ音楽は音楽だし、12個の音符が音階を作ってるだけで、古典的な旋律の楽しみに賞味期限はない。ただ僕にとって、多様性のひらめきや新しい発見は大切なんだ。でもそれと同時に、既に知っているものや好きなものを再訪することにも常に喜びが伴うよね。

ISHIO DAI – なるほど。一番知りたかったんだけど、どういう思考や判断基準で作品を作ったり選んだりしているのかな。

BENNY ILL – 俺がアーティストとして関わる、またはコラボレーションをする時の判断基準は複雑すぎて説明しにくいけど…。独創的でありクリエイティブであることを目的としながらも、同時に商業的に成り立つだろうと思う範囲の限界もある。みんなと同じように、俺自身も制限されていることはあるんだ。ミュージシャン、プロデューサー、そしてエンジニアとしてのスキルとかね。でもそういったスキルは学ぶことで高めていくことはできるから、前進していくことに焦点を当てているね。もうひとつの側面として、エデュケーションや育成といった意図もある。なにも教師のような優位性や知識を強要したり主張したいわけではないんだけど、俺は、作ってきた音楽のほとんどにおいて、音楽や映画やその他のアートの歴史に光を当てたり関心をもたらすきっかけになるような試みをしてきているんだ。俺は、ヒップホップの初期のサンプリングが、ソウルやファンクやブルース、そしてレゲエやディスコの歴史にさえも人々の関心を引き寄せた流れを、常に見習おうとしてきた。

それから、Horsepowerとして俺らがしてきたことの歴史や当時どういった気持ちで決断をしてきたのかを振り返ると、つまるところ俺らの音楽的なバックグラウンドだったり、プロジェクト開始当時の時代背景に行き着くね。90年代の後半、多くの人にとっての旬なサウンドはUKガラージだった。あの頃のロンドンの海賊放送局を聴いていた人はその流れを目撃していたと思うんだけど。この手のコミュニティを基盤としたラジオ局は、常に、ストリートで何が流行っているかを示す、ある種のバロメーターだったんだけど、2000年代に近づいていくにつれ、UKガラージシーンが独創性に寛容になっていったような感じがあったんだ。俺が考えるに、そのことが俺らが作ろうとしたものに大きく影響を与えていたと思うね。俺らは、UKガラージというジャンルを、多くの可能性を秘めた広いプラットフォームとして捉えていたんだ。そのシーンで受け入れられていたスタイルが多様だったからね。

例えば、アメリカの前身のものにかなり傾倒した4×4ビートでありながらも、イギリスのアーバン系の味わいを含んだやつとか。もしくは、古典的なUKガラージの感覚を保ちつつも、ありがちなスタイルから逸れて新鮮な響きを持った、2ステップが発展したようなものもあった。他にあった系統としては、ジャングルとドラムンベースのルーツを持ったDJ Zincとかのプロデューサー達が好んでいたブレイクスタイルも、当時のガラージダンスミュージックシーンでかなり人気だった。あと、当時の一部のトラックには、カリビアンレゲエのフレーバーが入り始めてきていたりして、それ以前にジャングルシーンには登場していたダブとダンスホールの要素がUKガラージのレコードにも出現し始めていたね。こういったことによって、ガラージのレコードを作ろうとしていた俺たちのようなプロデューサーにとって、すごくオープンな場が出来ていたし、それが実際に俺らが興味を持った理由だったね。それに、俺らがこのジャンルに対して少し変わった取り組みをすることに興味を抱くことが出来た理由でもあるよ。

Benny ill / Horsepower Productions

誰もがやみつきになるベニー・イル!卓越した選曲センスで、世界中のアンダーグラウンドミュージックファンを虜にしてきたベニーの進化は止まらない!Tempaから最新LP盤をリリースした他、現在も自身の新作やコラボ楽曲など多くの音楽制作を続けるなど、ダンスミュージックシーンの第一線で活躍中だ。また、DJとしても精力的に活動しており、発表前の最新の選曲やHorsepower Productionsのダブプレートを一早くフロアで響かせている。”オールドスクール”ガラージ、ヴィンテージダブ、ダブステップ、ディスコ、アンダーグラウンドダンスクラシックといった様々なシーンの発展に貢献したことで知られているが、今も新たなサウンドを発表し続け、ファンの期待に応えている。

ベニー・イルのアーティスト活動は、Horsepower Productions、High Plains Drifter、Dub War、Kid Deli、Mack One、Bill & Benといった別名での活動も含め、20年以上を迎えており、過去のコラボレーション実績は、Loefah、Mala、NType、DJ Hatcha、BBSのBentonなど、ロンドンのクラブミュージックシーンにおける、そうそうたる顔ぶれが名を連ねている。また、現在も、名高いHorsepower Productions集団の主要メンバーとして、新たなプロジェクトを進行中だ。Tempa Recordings から、2001年以来、数々の12インチ盤をリリースし続けており、前作のアルバム3作品”Quest for the Sonic Bounty”、”To The Rescue”、そして”In Fine Style”に続いて発表されたHorsepowerの最新アルバム”Crooks, Crime and Corruption”は、批評家から称賛を受けている。

また、長年に渡り人気を誇るロンドンのクラブイベントFWD>>や、伝説的なDMZのパーティなど、世界的に注目を集めるイベントに初回から出演し続けているDJの一人でもある。1993年以来、世界中のクラブ、フェス、ラジオに出演するなど、アンダーグラウンドシーンおよび商業的イベントの両方において、数々のDJパフォーマンスやライブセットを披露しており、DJとしての評判も非常に高い。特に、ジャンルを超えた独自の選曲センスが高く評価をされており、Ministry of Sound、Heaven、Fabric 、Plastic Peopleなどを含んだ、ロンドンの著名なベニューのほとんどでプレイした実績を持つ。

最近の目立った活動は、Broken Dub House、ロンドンとベルリンのSwamp 81、Deep Mediなどのイベントの他、Glastonbury、Found、Sonica Festivalといったフェスへの出演、また、Rinse FMのレギュラーゲストとしてのラジオ出演などだ。

Horsepower Productionsは、その独創的でユニークなスタイルで、音楽制作に革新的なアプローチをもたらし、多くの人々をインスパイアしてきた。El-BやZed Biasなどのアーティストと並び、ダブステップシーンの創出に貢献したと称されている他、シーンに多大な影響をもたらしたTempa Recordingsの確立においても重要な役割を担ったことは明らかだ。2002年にリリースされ、現在も入手可能である彼らのデビューアルバム”In Fine Style”は、多くの評論家やアーティストにより最高傑作だと評されている。また、ほとんどが廃盤となっている彼らの初期の12インチ盤の多くは、入手困難であるものの未だに非常に需要が高く、ダブステップシーンの起源を代表したものとしてコンピレーションアルバムにフィーチャーされ続けている。

彼らの音楽を聴いたときに最も明白なのは、UKガラージ、テクノ、ハウス、レゲエ、ヒップホップ、ジャングル、ファンク、ソウルを含んだ音楽カルチャーの横断や、はたまた映画への関心などから生まれたインスピレーションといった、多様性のある影響を受けていることだろう。そんな彼らの音楽制作に対する常に革新的な姿勢は、一貫して、批評家を驚かせ、大いに喜ばせているのだ。

Selected releases:

When You Hold Me / Let’s Dance (12”)

Gorgon Sound / Triple 7 (12”)

Vigilante / What We Do (Remix) (12”)

Fist Of Fury / To The Beat Y’all (12”)

Smokin’ / The Swindle (12”)

One U Need (12”)

In Fine Style (LP/CD)

To The Rescue (LP/CD)

Quest for the Sonic Bounty (LP/CD)

Crooks, Crime & Corruption (LP/CD)

BENNY ILL: SWAMP91 (12″)

Selected remixes:

Lee “Scratch’ Perry – Excercising (12”) [ ON-U-SOUND]

Yellowman – Zungguzungguguzungguzeng (12″) [GREENSLEEVES RECORDS]

Elephant Man – Log On (Horsepower Productions Remix) (12”) [GREENSLEEVES RECORDS]

Return to E (Horsepower Productions Remix) (12”)[BERCEUSE HEROIQUE]

Weighty Plates Volume 1: Standard Flow (12”)[EAST WEST RECORDS]

DJ Zinc – Flim (Horsepower Remix) (12”) [BINGO BEATS]

Blackdown – Wicked Vibes (Horsepower OG Remix) [KEYSOUND RECS]

Benton – The Calling (BBS madness edit)[BENTON BEATS]

…and many more


2017.11.25
EFFECTIVE96 presents Bennyill
@COMPUFUNK
OPEN18:00 DOOR 2000yen

Bennylll FL FIN

Bennyill
[HORSEPOWER PRODUCTIONS / SWAMP81 TEMPA DEEPMEDi UK LONDON]

LIVE
ISHIO DAI × HAV
ALBINO SOUND
IMAKORO

DJ
COMPUFUNK
HAYATO (NOROSHI!)
OOSHIMA SHIGERU (S.I 2×4)
MITUKI (MOLE MUSIC)
ALUCA (FACTORY)
TWO SEVEN CLASH

VJ
HiraLion (Betaland/FLOWER OF LIFE)

SOUND P.A
YORI -Funktion one set-


2017.11.22 (Wed)
EFFECTIVE96 presents Bennyill
@Dommune 21:00 to 24:00

BENNY DOMMUNE FIN

Bennyill
(HORSEPOWER PRODUCTIONS /
SWAMP81 TEMPA DEEPMEDi UK LONDON)

ISHIO DAI (EFFECTIVE96)

OOSHIMA SHIGERU (S.I 2×4)

次ページではインタビュー原文を掲載しています。

Source: FNMNL フェノメナル

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