2016年、アメリカでのアナログレコードの売り上げ金額は25.9%上昇し、720万枚の売り上げを記録した。またイギリスでも売り上げは53%上昇し320万枚に達した。これは1991年以来の売り上げ水準である。現在レコードビジネスは、ターンテーブルやその他アクセサリーの売り上げも合わさり、10億ドル規模のものとなっている。
先日、Nielsen Musicが第3四半期まで(2017年9月28日までの9ヶ月間)のレポートを発表した。
報告によると、一週間あたりのオンデマンドの音楽ストリーミング再生数は83億回を超え、これまで2870億回がストリーミング再生された。これは昨年の同時期と比べ59.4%の増加である。また、ビデオのストリーミングと合わせると再生回数は4420億回を超え、これは昨年より40.4%増加している。
これに対し、フィジカルでのアルバムセールスは18.3%下落し、大きな減少を見せている。デジタルでのアルバムセールスとトラック単体のセールスも、それぞれ19.5%と23.1%というように減少している。
ストリーミングのみならず、今年もアナログレコードは売り上げを伸ばしている。Nielsen Musicによれば、2017年はアナログレコードの売り上げ枚数は3.1%上昇し、935万枚に達した。昨年の同時期には907万枚の売り上げであった。アメリカにおける全フィジカル作品のセールスのうち約14%をアナログレコードが占めているということになる。
そして、驚くべきことに2017年最も売れているアルバムはThe Beatlesの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』であるという。1967年にリリースされたアルバムで、今年は50周年の記念盤がリリースされている。同アルバムは、今年だけでこれまでに40000枚以上も売り上げられている。
(辻本秀太郎)
Source: FNMNL フェノメナル