4thシーズンREC2-2。今回登場したチャレンジャーは裸武。埼玉を地場に活動を展開し、「戦極MC BATTLE」の前身となる「戦慄MC BATTLE」への出場や、2011年の「UMB」では埼玉代表を勝ち取るなど、実力派のMCである。そして崇勲の「ディスが効かない」とは違う、「相手をディスらない」という、バトルにおいては独特過ぎる裸武のスタンスに対して、モンスターがどうディフェンスするかも興味が集まる。
彼を迎え撃つモンスターは裂固。先攻:裂固、後攻:裸武で始まったバトルは、「LOVEとかPEACEとかホント女々しいんだよ」と、初手から相手のスタンスをディスる裂固。対する裸武は「LOVEにPEACEはダメか/俺は人間としてそういう所をレペゼンしている」と返し、「愛があるからな/もっとど真ん中を打ち込まなきゃ/俺の城は崩れねえからな」と、どちらがモンスターか分からなくなるようなラップを提示する。そして「ここは戦場/バッチリディスらねえと」という裂固の言葉に、裸武は「確かにここは喧嘩の現場だ/だけどそういう奴が増えすぎた」と返し、お互いのシーンへの見方や、スタンスの違いを明らかにする。そして「だけどこの後/握手でマイメン」という、自らのスタンスを貫き通した言葉で締めた裸武がクリティカルで勝利。
2ndラウンドのモンスターはFORK。「F.O.R.K/憧れたぜ/2006年UMB/いま31/20才の俺が憧れた姿が目の前にある」と、あこがれを隠さない裸武に対して、「チャンスを掴む?だったらその気持ちをビートに乗せろ/人生は何度だってひっくり返るオセロ」と渋いラインを出しつつ、「お前の必死過ぎる姿はまるで動物の交尾だよ/人間の大人はな/雰囲気作りから始めてゆっくり穴の奥に挿入するんだよ」と、遂にFORKの得意技(?)である、下ネタ系のラインまで飛び出した。対する裸武も「自分自身をただぶつけるマイクがここにあるから俺は叫ぶぜ」と熱い言葉を放つが、「お前なんだそれ?/これはおしゃべりじゃねえHIPHOPだ」と、王者の風格を漂わすFORKにいなされてしまう。結果はクリティカルでモンスター:FORKの勝利。牙城を守った。
続くチャレンジャーは、「UMB」の水戸/茨城予選での優勝を5度も果たし、本戦でも準優勝を果たしている現在の茨城を代表するラッパー:GOTIT。「ダンジョン」にも3rdシーズンREC4-2にもチーム:OMEGAH MEWTEEZとして登場した彼が2度めの登場となった。
その侵攻を食い止めるモンスターは輪入道。先攻:輪入道、後攻:GOTITでバトルはスタート。「勝ちてえもんな/後攻取るよな/本気なんだもん/後攻取るよな」と、前回放送の崇勲のスタイルを引用して、まずひと盛り上げさせる輪入道。そして「でもTwitterとかじゃお前は大笑い」と口撃するが、「輪入道おめえがTwitterの事なんかこのテレビでネチネチ言うと思わなかったわ/情けねえな/最恐の妖怪?/任せとけ/最強の変態」と切り返すGOTIT。そして「イケてる目をした男と相対してやれると/やっぱり血が煮えたぎってくんだよな」とリスペクトを込めたバトルラインを輪入道に突きつける。
しかし輪入道もTwitterについて発言した事について「GOTTIって名前で俺の画像プロフィールに表示されてんじゃね/あれなんなの?」とその意図について説明する(正確にはGOTIT本人のアカウントではなく、GOTITのbotアカウントらしい)。しかしその訊き方が、今まで「ダンジョン」に登場した輪入道のシリアスなスタイルとは異なった、熱弁しているが謎のファニーさがあるフロウで、会場は大盛り上がり。そして「ごめんね!どうしようもねえ話してごめんね!」と絶叫するする輪入道に対して、「ごめんね/おめぇが思ってる以上にあれは誰がやってんのか気になってんのは俺だぜ!」と更に絶叫で返すGOTIT。その言葉を満面の笑みで聴く輪入道の表情に「バチバチやんのもいいけど/お前のその優しそうな目を見てると/俺も涙が出てきそう」と更に続ける。結果は2:3でGOTITが先勝。
2ndラウンドは先攻をGOTIT、後攻が輪入道をなりバトルはスタート。「モンスターが馬鹿みてえなギャグを連ねっからあえて先攻を選んだんだ/あのルーティンに巻かれたら負けんのが決まってんの分かったから先攻選んだんだ」と、勝ちに拘る姿勢を見せるGOTIT。そして「レペゼンアンダーグラウンド/負けられない意地がある」と更にそのスタンスを提示する。対する輪入道も「舐められたくねえって気持ち/俺も同じアンダーグラウンド/そこから見せる/これからのHIPHOPプランを」とキッチリとその言葉に返す。それに対して「プランをしっかりと見せてくれ/ガキどもの目を輝かせてやってくれ」と輪入道への期待をラップするGOTIT。結果は輪入道のクリティカル勝利。お互いにインファイトでぶつかり合いながら、セッションとリスペクトを込めた好試合だった。
Source: Abema HIPHOP TIMES