NME Japan
Photo: Jonathan Weiner グレート・リセット(※2020年に行われた世界経済フォーラム)のことは忘れてしまおう。あれは真実に目覚めたロシアのボットたちの戯言に過ぎない。そう、ロック界きっての予知能力を持つ黙示録の予言者によると、私たちは大転換に備えておく必要があるのだ。 「“大転換”という言葉を今は使いたいね」。朝のスタッフがきびきびと動き回るロンドン中心部のレストラン、ジ・アイヴィー。彼らのドレス・コードにSF風のボンバー・ジャケットは含まれるのか気になるところだが、隅のテーブルに席を取るマシュー・ベラミーは過去の気候による災難、エネルギーの危機、社会の不秩序、経済の崩壊などについてざっくりと語りながら、早口も光の速さへとスピードアップしていき、人類の存在というジレンマの革新に迫る。 「終わりが近づいている」。真実を機械のようにポンポンと語るミューズのメンバーはそう語る。悲痛な声で語る00年代生まれの破滅論者よりもよほど哲学的な43歳である。「何の終わりかって話だよね?人類の終わりではない。世界の終わりじゃないことも間違いない。進化の終わりでないことも間違いない。…
続きを読む>>ミューズ、新作『ウィル・オブ・ザ・ピープル』インタヴュー前編:大転換になる。破壊的な過渡期なんだ