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LA音楽生活15年・Layla Laneヒデの【原稿料頂いたのでお話します Vol.7】新曲“ドルフィン・ソング”徹底解剖 きっと音楽が少し違って聴こえるはず

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僕がやっているレトロポップ・デュオ Layla Laneが“ドルフィン・ソング”のMVを公開しました。曲自体は3年くらい前に書いて、ライブでもやってきている曲なのですが、今回あらためて真面目にレコーディングをし、不真面目にビデオを撮ってつけました(監督ヒデ、主演ヴァレリー笑)。

曲の内容については、あちらこちらで話す機会があるのですが、ことレコーディングへのこだわりとなると、なかなか話せる場所がないので、今日はレコーディングについて詳しく触れてみようと思います。

ちゃんとしたお料理屋に行くと、「この魚はどこで獲れた」、「この料理のこだわりはこれだ」みたいなことを教えてくれて、その情報をもらうことでよりお料理が美味しくなりますよね。そんな感じになればこれ幸い、音楽やる方も、やらない方も読んでみてください。

まず先に音を聴きたい方はこちらからどうぞ。「いや、先にうんちくを聞こうじゃないか」という方は、最後にも同じ動画を貼っておくので、この動画はスルーしてちょんまげ。

では“ドルフィン・ソング”で使用されている楽器編成から見ていきましょう。

アコースティック・ギター 2本 (同じパートを重ねています)
使用楽器: 1954年 Gibson J-160E, 1967年 Gibson J-50

以上です。Gibson J-160Eはジョン・レノンとジョージ・ハリスンがビートルズで使っていたアコギとして有名ですね。このアコギは僕が初めて買ったまともなアコギで、とても思い入れが深いのですが、僕の持っている他の安物なども含めた4本でブラインドテストを実施したところ、ヴァレリーさんはこの思い入れあるギターを最低評価いたしました orz

さて、ギターが揃ったところで、じゃら〜〜んと弾いても勝手に録音されたりはしません。マイクが必要です。そしてプロのスタジオとなると、そのマイクの音をパソコンにブスッと繋ぐよりも断然いい感じにしてくれるマイク・プリアンプというものを使います。この二つの組み合わせがとても重要です。

今回使ったマイク・プリアンプはオリジナルのNEVE 1073という超王道の代物。マイクはギターにはNeumann U47とAKG 414の2本を立てました。Neumann U47はビートルズなど数多くのミュージシャンに愛されてきたマイク界のロールスロイスと言っても過言ではない名器です。

知らず知らずのうちに口にしている食べ物。ちょっと興味を出して調べてみると化学調味料いっぱい、農薬いっぱいなどなど、「なんじゃこりゃ、なんて酷いものを食べさせられていたんだ!」となることがあります。音楽もちょっと似てて、同じ価格で販売されているCDでも名器をふんだんに使用して録音されたものもあれば、安物で作られている音楽もあります。音楽の場合は高いものを使えばよいのではなく、聴いて気持ちよければそれでいいんですけどね、、、しかし、それを判断できるのもいい音をちゃんと体験したあとの話ですので、是非音楽の歴史に存在する名盤というものに積極的に触れてみてください。そして今自分が聴いている音楽と聴き比べて欲しいのですが、その時にだいたい同じくらいの音量で聴こえるようにボリュームを調整して聴いてみてください(←これ大切)。質感の違いが聴いて取れるはずです。

話がそれましたが、次はボーカル用マイク。最初はNeumann U47を試したのですが、なんと僕の声質に対して名器U47を凌駕するマイク登場!その名もRequisite L7。こちらは某有名アーティストさんの持ち物で、その方が同じスタジオを使っていて、たまたまその日このマイクをスタジオに置いていったので、許可を得てお借りしました。200万円近いマイクなのでラッキーコマッキー!

そして今回使った機材で特筆したいのはこれまたビートルズが使っていたFairchild 670。これはコンプレッサーという機材で、マイク・プリアンプの後に繋いで、音の凸凹をなくし、よりスムーズに、時にはアグレッシブにしてくれる機材です。コンプレッサーも数多くの種類が出ていますが、Fairchild 670はコンプレッサー界のダイヤモンド。ビートルズの音楽が今日に与えている影響はみなさんご存知のとおりでしょうが、ビートルズの録音技術もまた現在に多大なる影響を与えているのです。

しかし、良いと言えど過度使用は禁物、、、本物のFairchildに出会えて嬉しくて、頼りすぎたために、ボーカル第一テイクは歪んでしまいボツ。。。後日録り直し笑 大トロ食べ過ぎて気持ち悪くなったあの感じです。

あと、ボーカルにディレイと呼ばれるエコーのようなものがかかっているのが聴こえると思います。これは最近ではプラグインというコンピュータ上のプログラムで似た効果を得ることができるので、ほとんどの昨今の録音ではプラグインが使用されていると思うのですが、僕は昔の人がやっていたようにアナログテープマシーンの裏技的な使用方法によって得られる本物のテープエコーを使っています(エルビスが多用していましたね)。そして、それだけではちょっとだけ物足りなかったので、隠し味的にこれまたアナログテープを使用したRoland RE501でエコーを足しました。プラグインを使ってもそこそこいい感じになるので、わりと満足していたのですが、試しに本物を使ったらオーマイガッド!!全然ちがうのね!!

と言った感じで、わりとこだわった作品に仕上がっています。これを踏まえて聴いてみてちょ!

PROFILE

Hidehito Ikumo

Hidehito Ikumo

アーティスト/ソングライター/プロデューサー

ロサンジェルスを拠点として日米で音楽活動中。
世界のトップミュージシャン達より高い評価を受け、ビートルズのリンゴ・スターとも共演。ネットワークも広く、自身のプロジェクトにはJim Keltner (John Lennon, George Harrison, Bob Dylan, etc)、Dean Butterworth(Good Charlotte)、David J Holman(Olivia Newton John, No Doubt)なども参加している。レトロポップユニットLayla Laneとしては2010年日本でメジャーデビュー。

Layla Lane:http://www.facebook.com/laylalanemusic

Source: https://sams-up.com/feed/

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