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Joey Bada$$の日本公演終了後に一行の車を走って追跡し車に乗せてもらった幸運なファンとのインタビュー

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先週渋谷 TSUTAYA O-EASTでラッパーのJoey Bada$$の来日公演が開催された。ライブには彼のクルーであるPRO ERAからNyck Caution、日本からは5lackも出演、真摯で情熱的なJoeyのパフォーマンスに会場は終始大きな盛り上がりとなった。

そしてライブ後に大きな盛り上がりとなったのがJoeyのInstagramストーリーだった。そこにはライブ後に会場を車で出たJoey一行を追う、ファンの姿が。このファンは、なんと車に追いつきJoey一行に迎え入れられ、車で自身の名前をコールされテキーラも飲まされるという嬉しいハプニングも。

FNMNLのTwitter上でもポストしたところ、すでに18万回再生されているこの動画の主人公である、さとるさんにメールインタビューであの追跡劇の真実を語ってもらった。

取材・構成 : 和田哲郎

取材協力 : 柴田さやか

– 最初に簡単な自己紹介をお願いします。

さとる – 会社員です。ヒップホップとの出会いはスチャダラパーとATCQ 。今はヒップホップ全般好きです。

– あの日のJoeyのライブはいかがでしたか?

さとる – 海外のラッパーのライブは本当に久しぶりで、Joeyには本場のヒップホップのレベルの違いを見せつけられました。圧倒的でまさにスターですね。エネルギッシュで新しくて東海岸ニューヨークのヒップホップをしっかり受け継ぎながら進化してて。ヒップホップは文化だと改めて感じました。ライブ中は無心になって熱中したり、大好きな曲がかかって興奮したり、新たな出会いもあったりして、本当に最高でした。Nyck Cautionも良かったですね。ラップがめちゃカッコいいのと、なにより人の良さが顔に出てて、絶対いい奴だよな、と心の中でずっと思ってました(笑)。

– ライブ終了後、どのような経緯で車を追いかけることになったのでしょうか?

さとる – ライブが終わったあと、すごく興奮してたので、外国人の音響さんとカメラマンさんに「今日のライブ最高だった」って話しかけたんですね。そしたらセットリストをくれたんですよ。興奮醒めやらぬ中、ライブハウスの外に出たあとも会場の周りをウロウロしてたんです、なんとなくまだ帰りたくなくて。近くにいた女の子がNyck Cautionのサイン入り写真を持ってたんですよ。その子はライブ前に搬入口でサインをもらったらしくてその場所を教えてもらったんです。セットリストにサインをもらおうと思って。出待ちしてたのが私、DJ &ラッパーしてるという高1男子コンビDjのChibiChel君とMCのFujita君、あと30代くらいの女性の4人。この高校生コンビが自分達のCDを渡したいと寒空の下震えながら気合い入ってたんですよ。

さとる – それで、1時間くらい待ったと思います。いよいよ出てきそうな雰囲気になってきて、頑張ってCD渡そうな!なんて声掛けたりしてマジで気合い入ってたんですよ。そしたら、本当あっさり車に乗り込んだと思ったらサーッとあっという間に車が出ていっててしまったんですよ。車に近づくことさえできなくて。それでなんか悔しくて、半分無意識的に、車を追いかけてたんです。

– 動画を見ると一度振り切られていますが、どのようなコースを走り車に追いついたのでしょうか?

さとる – 200mくらい走って、道玄坂上交番前の交差点を246方向に渡ったくらいのところで、誰かが凄い走りで僕を追い抜いていったんですよ。それがJoeyのビデオにも映ってたFujita君です(笑)。でも結局、車は加速して246手前の路地を左に曲がって見失ってしまったんです。Fujita君はそこで諦めたようだったんですが、僕は土地勘があったので、この先の信号で引っかかる可能性高いからそこまでは走ろうと路地を抜けて246に出たんです。

すると渋谷駅西口交差点が信号待ちの渋滞になってたんです。しめた!と思ったんですが、信号から目で追ってもJoey達の車が見当たらない。あれ?と思ってるうちに信号も青になって車も流れ始めてしまい、あー行ってしまったのかと諦めていたら僕の横をJoey達の車が通り過ぎて行ったんですよ(笑)。どういう訳か僕のほうが先回りしちゃってたんですね(笑)。車も流れてるし、もう間に合わないなと思ったけど意地でまた走りました。246の車道を全力疾走。そしたら運良く先の信号が赤になって彼らの車が引っかかったんです。これで追いつくと思いました。そこからはビデオの流れです。走った距離はトータルで1キロくらいですね。

– 車に追いついてドアが開いた瞬間は、どのようなことを感じましたか?

さとる – 開くと思ってなかったので頭が真っ白になりました(笑)。そのあとはずっと頭の中で、まじか!まじか!って言葉がぐるぐる回ってました。

– 車内ではテキーラを飲んで自己紹介する模様が映っていましたが、他に何かJoeyと話しましたか?

さとる – 驚いて何が起きてるのかよく分かってない感じのまま車に乗せられると、車内の皆が爆笑してました。なんてこったーと思って顔を覆っていると「飲め飲めっ」という声が聴こえて、顔を上げると瓶が差し出されていて飲みました。誰かが「テキーラ」と叫んで笑ってました。美味しかったです。

名前を聞かれ答えると「さとる」コールが起きました。これは上がりましたよ(笑)。その後、昔のちょっとした知り合いでニューヨークでマスタリングエンジニアをしてる凄い先輩がいらっしゃるんですが、彼がATCQ、Young M.A 、A$APやJoeyもマスタリングをしてるんですね。『All-Amerikkkan Badass』も『Nyck@Knight』も彼がマスタリングしてたので、「マスタリングエンジニアしてるTatsu Sato知ってる?知り合いなんだよ」って言ったら、いきなり今度はTatsu Satoコールが始まったんですよ(笑)。 話したのはそれだけ。

– 車をどのように降り、その後どのような行動をしたのでしょうか?

さとる – コールが終わって、「写真を撮らせてくれ」って言ったら「オッケーオッケー」となって本人達と2枚、そのあと何故かドライバーさんと助手席の方と撮りました。撮り終わるといきなり車のドアが開いて渋谷駅のヒカリエの向かい辺りで降ろされました。翌朝の仕事が早かったのでそのまま帰宅しました。走りとテキーラでふらふらでしたけど(笑)。

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– さとるさんにとってJoeyの魅力はどのような点でしょうか?

さとる – 『All-Amerikkkan Badass』 のアルバムに尽きますね。若さとポジティブさにあふれていて、ニューヨークっぽさも満載で。A$AP Mobの『Cozy Tapes Vol. 1: Friends』のリリースのタイミングでTatsuさんとSNS上で、最近アトランタとか南のヒップホップが主流だけど、A$APはよく聴き込むとちゃんとニューヨークっぽさがあってなかなかカッコいいですね、なんて話をしたんです。そしたら「今度出るJoeyはもっとニューヨークで良いから聴いてみな」って教えてくれたんです。それがこのアルバムでした。間違いなかったです。

–  Joeyの最も好きな曲を教えてください。

さとる – “For My People”、”Devastated”の2曲ですね。

– 他に今回のように追いかけたことのあるアーティストはいますか?

さとる – 中学生の頃にシンディー・ローパーのコンサートに行って追いかけました。その時も信号待ちで追いついたの俺だけでした。窓は開けてもらえなかったのですが、窓に手を当ててくれて窓越しに手を触れてニッコリしてもらいました。今回走ってる時に、不意にそのことを思い出しました(笑)。

Source: FNMNL フェノメナル

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