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映像演出家・スミスの人生相談【きょうもスミスがかんがえた Vol.11】スミス、「ロケハン」についてかんがえた

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こんにちは。映像演出家スミスです。

眠るときはなるべく冷たい布団に潜り込みたい。冷たい布がだんだんと温まっていく感じが、眠っていく意識と重なって、まどろむ感覚が一番気持ち良い瞬間。目は閉じてラジオを聴きながら、だんだんとパーソナリティの声と夢が溶けていき、そのうち聞こえなくなる。仕事が山積みだと、より気持ち良い。精神的逃避行。

深夜出発の航空機に乗って、タイ・バンコクへのロケハンに向かう。ここ近年、アジアへの移動は羽田便が増えて、かなり便利になった。
飛行機に乗るときは、毎回ほぼ同じ服装。フードのついたジャージを羽織って、なるべく重さの感じられないパンツとシャツ。足元はBIRKENSTOCKのゴムサンダル。このサンダルは脱ぎたいときに脱げるが、走ったりしても脱げない。汚れても洗えるし、世界どこに行っても(雪は別として)困ることは少ない。足が縞々に日焼けすることをのぞけば。あとはShureのインナーイヤホン。耳栓にもなるし、映画を見るときにも慣れたイヤホンだと楽。とにかくストレスになる要因をひとつひとつ削っていく。

今回のバンコクロケハンは、一泊二日(!)という弾丸ツアーなので、荷物もなるべく少なくする。日頃はどちらかというと荷物を持ちたがる心配性だが、今回は頑張って厳選してみた。まずカメラ。今はCanonのM5を使っている。使い慣れた一眼レフと操作が似ていて、写真が撮りやすい。レンズは18-150mm。これ一本で撮影時のアングルはだいたい想像がつく。これ以上ワイドだとちょっと特殊なアングルに感じられるものになるだろうし、望遠レンズも撮影時にあるものはだいたいこのサイズ。ロケ場所ごとにどこまでワイドであり、望遠で撮れるかを確認しておけば、演出の幅を決められる。簡単な動画も撮ることができるので、長めのカットをテスト撮影することもできる。

次はSIMフリーのiPad Pro 9.7インチ。とにかく万能。ネット、地図利用、台本も読めるとまさに希望通りのノート。眼鏡をかけている身としては、裸眼で映画が楽しめるのが嬉しい。あとは充電機器と着替えを入れたメッセンジャーバッグを肩がけて現地へ向かう。

とにかくタイトなスケジュールの今回、先発してくれている助監督と現地コーディネーターとともに、とりあえず屋台で朝食。常夏気分で訪れたが、肌寒い春の朝。何度目かのバンコクだが、こんなことは初めて。暖かい鶏粥をすする。食べ終えたところで、早速最初のロケ地へ。

海外に出るとまず感じるのが匂いだ。国それぞれの匂いがあって、一度訪れるとそれは脳の奥へと染み込んでいく。過ごしているうちに馴染んでしまって、意識からは消えていく。

最初のロケ地は、駅。古くて大きく、なにより光が美しい。気持ちはすっかり仕事に切り替えられる。まだ一つ目だが、手応えがある。嬉しくて写真を撮りまくる。たぶん旅行だったらここを訪れることはなかっただろう。撮影に関わっていると、作品に振り回されて、いろんな世界を垣間見ることができる。好奇心が刺激される。非日常から観る、日常。日常を非日常に。まさに映像である。

さて、今回の質問です。

 ものまねのコツを教えてください(匿名年齢性別不詳)

ものまねは、何かをつくることで、もっとも大事な手法のひとつだと思います。本当に完全に真似ることができたなら、あなたは本物と同じ技術を手にしたことになります。まあそんなことはありえないんですが。本物に近づこうとする作業から、たくさんの学びを得ることができると思います。あらゆる学習方法の中で一番効率が良いぐらいです。
では、ものまねのコツとは何か。それは何がそれを規定しているのか考えることです。AとBは何が違うのか。AとA+はどこが違うのか。違いを意識的にインプットしていくことが、Aをつくるということなのです。

人生、仕事、恋愛、くだらない質問まで、どんなことでも相談にのります。質問は、twitter:@smith0204へ、性別年齢ハンドルネームをそえて、お願いします。是非。

PROFILE

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スミス

武蔵野美術大学卒業後、竹内芸能企画にてミュージックビデオの第一人者である竹内鉄郎に師事。
2000年から演出家として活動し、映像に特化したアーティストを独自の表現で撮り続けてきた。
情熱的なパーティーチューンを得意としながらも、静謐で奇妙な作品も支持されており、動と静の作風を併せ持つ。
近年では、でんぱ組.incの夢眠ねむとの映像ユニット“スミネム”を結成し、活動の幅を広げている。
コレオグラファーとしても活動中。

Web:smith0204.com

Twitter:https://twitter.com/smith0204

Source: https://sams-up.com/feed/

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