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【インタビュー】iri 『life ep』| 優しく自由に歌う

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昨年リリースしたデビューアルバム『Groove it』が話題となり、2017年はNikeのキャンペーンソングとなった1stシングル『watashi』をリリースしたシンガーのiri。

そんな彼女が、11月にリリースした最新作『life ep』は、フィーチャリングにラッパーの5lackを迎え、これまで以上にアコースティックなサウンドを前面に押し出したものとなっている。自身のルーツである弾き語りのスタイルに近づきつつも、ボーカルのスタイルはよりラップのフロウのような自由なものになっている、今作や今年1年について振り返ってもらった。

取材・構成 : 和田哲郎

– もう12月なので、まず今年はiriさんにとってどういった年でしたか?

iri – 今年はライブをたくさんやった年だったので、各地のフェスに、たくさん出てアーティストさんと繋がりができました。

– 特に印象的だったライブはありますか?

iri – ワンマンが一番印象的でしたね。フェスだったら福岡の糸島で開催されたSunset liveが。

– 今回のEPはこれまでの作品よりも自身のルーツである、アコースティックなサウンドに寄ったものになっているかと思いますが?

iri – 前作は結構ビートが強めだっのですが、最近は生音が入っている曲だったり、トラックでも生音が入ってるようなものが好きで、バキバキの音色には自分の中で違和感があって、今回はそういう生音が自分の中でも欲しくなったっていうのはあります。そういったことをトラックメイカーさんにオーダーしたりしましたね。

– ちなみに最近よく聴いているのはどういうものが?

iri – 最近は例えばNo Nameとか、あのへんのバンドサウンドのヒップホップとか、聴いたりしてますね。No Nameは今年、初来日公演があったのですが、行けなくて、ああいうスタイルのライブはかっこいいなって思います。

– ちなみに今回は”Telephone”で5lackさんが参加してたりしますけど、5lackさんはどういうきっかけで参加することに?

iri – わたしは大学の時から5lackさんをめちゃくちゃ好きで、まあ普通にただのファンだったんですけど。で直接交流があったとかではなくて、本当にただファンで、今回新しい作品を出すにあたって、フィーチャリングでラッパーさんと一緒にやりたいですねって話をして、一番フィーチャリングしたいのが5lackさんだったので、それでオファーをさせていただいきました。

– iriさんから見る5lackの魅力ってどういうところでしょうか?

iri – えーと、そうだなあ、型にはまらないラップみたいなのがすごくいいなと思っています。譜割りとかも独特な、5lackさんにしかない感じがあるなと思ってて。あとは、存在感もすごくて笑。5lackさんが等身大となって発信してる感じもすごくいいし、あとは、これは後日わかったんですけど、5lackさんは家でレコーディングとかもやって、最後まで家で作っちゃう、料理しながらラップをトラックに乗せたりとか(笑)。なんかそういう感じもすごい好きです。

– 今回の曲はリリックとトラックも5lackがやってますよね。どういう感じで進めていったんですか。

iri – 最初は打ち合わせで初めてお会いしていろいろお話して、こういうテンポがいいですよねとかは話したんですけど、例えばラブソングを作りたいんですよとかそういうのは全然なくて、5lackさんに自分のイメージを伝えて、それで5lackさんにも作りたいトラックのイメージを聞きました。それで、トラックを作ってもらったら、もう歌とか歌詞とか、全部乗ってて(笑)。結構出来上がってて、あれ!?みたいな(笑)。しかもめっちゃ全部いい!って。でもまあそれだと5lackさんの曲でしかないんで、それに私がサビのメロだったり、歌詞とかも自分の言葉に変えてみたりとかしながら、一緒に作っていったという感じです。

– 人の歌詞の上でやるというのはどうでしたか。

iri – やったことがなかったので、5lackさんの作った歌詞をどこをどう変えていいんだろうみたいなのはすごくあったんですけど(笑)。自分でバランスをとりながら、5lackさんのめっちゃいいところと、私のいいところがマッチしたらいいなと思ったので、そこをちょっとずつ調整していきましたね。

– iriさんはすごく言葉にこだわってすごく曲作ってこられたと思うんですけど、今回のEPで自分で変わったなと思う部分はありますか?

iri – よりラップっぽくなったっていうのはあります、あとはこの言葉を使わないようにしようみたいなのをやめて、前もそうだったんですけど、より自分の思った言葉を書くようになってきてるなっていう感じはあります。

– 影響を受けたラッパーとかはいますか?

iri – 結構前から好きな人をずっと聴いてて、それが日本だったら5lackさんとか、Libroさん、鎮座ドープネスさんとかはめっちゃ好きです。

– 歌詞を読んでて、夜とかのシーンが多いのかなと思うんですが、歌詞が思い浮かぶのってどういう状況が多いですか。

iri – 書こうと思って書くことが多いので、なんか電車の中でポンポン思い浮かんで書くことはないし、書き留めてることもあんまり無いんです。先にトラックがあって、そこに聴いた瞬間のイメージとか、こういう景色を書こうとか、そういうイメージをある程度固めて書く感じですね。”会いたいわ”はそのときのワーっていう感じをギターループさせてたら言葉がどんどん出てきたんで、それを録音してそのまま言葉にしたという感じです笑。

– 喋るのが苦手ということなんですが、やっぱり音楽にすると言葉が出てきたりみたいなのは、昔からなんですか。

iri – 曲を作り始めてからは、曲書いてて、こんなことよく言えたなみたいに思うことはありますね(笑)。こんな言葉が私の頭の中にあったんだって(笑)。でも、小学校や中学校のときに、ノートとか机に詩をちょっと書いたりとかしたことはありましたね。そのときノートとかに書いてたのは、それこそ感情を並べただけみたいなので、今みたいな感じではなかったです。それでもストレートに自分の感情を乗せて歌にするっていうのは、当時の気持ちと近いのかもしれません。

– ちなみにインタビューは慣れましたか(笑)?

iri – いやー、慣れないですねーー(笑)。今日も、すごいストイックなこと聞かれたりするのかなって緊張したんですけど、でも、大丈夫です(笑)。ちょっとしゃべるのが苦手すぎて、笑われちゃうんです(笑)。

– ライブも緊張するんですか?

iri – ライブ、緊張しますね。ギターを持つ指が動かなくなっちゃったりとかしてあれ、感覚がない!みたいな(笑)。

– 人に対面するのが苦手?

iri – そうですね、元々人前に立つのとかはすっごい苦手なタイプだったし、人と話すとかも苦手な、隠れてる系だったんです(笑)。いま見ると家族はほんとに、びっくりしますから。あのiriが!みたいな(笑)。自分でも不思議ですけど。

– これまでも聞かれてるとは思うんですけど、弾き語りは、生身の自分しかいないわけじゃないですか。やろうと思ったのは?

iri – 最初は、カウンセリングの仕事をしたかったんです。スクールカウンセラーって学校の悩んでる子の話とか聞いてくれる先生がいて、その人に憧れてその仕事すごくいいなって思ってたんですけど、それは音楽でもできるなって思って、やっぱ自分で歌詞を書いたら言葉も出てくるし、それで歌詞を書き始めて、そのタイミングで七尾旅人さんのライブをみて、そこでまた憧れがプラスされて、旅人さんの歌詞から影響されたりとかして、自分のペースで演奏する弾き語りを、やりたいって思って始めましたね。

– 歌詞も自分のことを書きつつも、誰かを癒すものとして書いてる?

iri – そうですね、さっきも話したような、自由な感じとかを自分なりに表現できて、カウンセリングじゃないけど、みんながもっと、自由になれるようなものがいいかなって意識してますね。

– 自由さに憧れるっていうのは、逆にどっかですごく縛られてる感覚みたいなのがどこかであった感じですかね?

iri – そうですね、学校は今考えると本当にそうだなと思いますし、まあそれが良かったのか悪かったのかはわかりませんけど、そういうことはあったんだと思います、反抗的なものが(笑)。なんでこうじゃなきゃいけないのかって。

– ちなみにどういう子供だったんですか。

iri – んー、結構変化が激しかったんです笑、小学校の時は男の子とサッカーとか木登りとかするような活発な感じだったんですけど、小学校の後半くらいから急に、外で遊ぶみたいなのがなくなってきて、テーブルに字を書くみたいになり始めて(笑)、部活とかはやっていたんですけどね。それくらいからMTVとかを見はじめて、ダンスやってみたりとか、生意気な、怖いもの知らずって感じでした。高校の時は、ボイストレーニングに行ってたのもあって、それがすごい楽しみというか、部活代わりという感じで行って、あとはアルバイトをしながら、そのお店で歌ったりとか。そこは地元逗子にあるライブができるハワイアンカフェでした。Corinne Bailey Raeの曲やMaroon 5とかを歌ったり、Alicia Keys、Leona Lewisの曲は弾き語りしてました。当時は1、2曲ポロポロって歌えてんのか、歌えてないのかわからない感じのライブでしたね(笑)。

– 今年たくさんライブをやって、その中でお客さんとの向き合い方とかも変わってきたりしてますか?

iri – そうですね、今まではライブって少し怖いものみたいなイメージが自分の中であって、だからすごい変な緊張やプレッシャーもあったし、完璧なパフォーマンスでみせないとって思って怖かったんですけど、最近はお客さんの反応が感じられて、ちゃんと届いてるんだって思いました。それがわかってからは自分の中で自信をもって一曲一曲、いままでよりも丁寧に歌えるようになったなっていう感じはあります。

– 歌詞を読んでると、相手に対してすごい優しいというか、言葉を優しく届けようとしている感じがするんですが?そういう意識ってあったりしますか。

iri – それはすごい、あると思います。なんだろ、言ってしまえばすごい、自分にも歌ってるみたいなところあるんで、自分がリスナーだったらどういう気持ちかな、これ聴いたらどう思うかな、どういう気持ちになれるかなってのはすごく考えながら作っています。

– 前にTwitterで夜に徘徊するのが好きって書いてましたよね?

iri – あ、それは、マツコさんの影響(笑)。マツコさんの番組(=『夜の巷を徘徊する』を観てて、これやっぱめっちゃ好きだわって(笑)。

– あ、そういうことだったんですね(笑)。

iri – そうです、私が徘徊するわけじゃなくて(笑)。マツコさんが徘徊するあの風景が好きで(笑)。

– なるほど夜の街の散歩がすきなのかなと思ってました。

iri – あ、でも散歩は好きです、なんか外に出て一人で歩くの好きですね。

– 普段って何をやってるんですか?

iri – 普段は何やってんだろ(笑)。まあ家にいるときは曲作ったりとか、お酒飲んだりとか(笑)たまに好きなアートの展示とかやってたらたまに美術館とか行きますけど、あと古本屋とか、地元の超ローカルな古本屋とかに行ったりとか。詩集がけっこう好きで、読んだりします。谷川俊太郎さんとか。

– 今回もKYNEさんがアートワークを手がけていますけど、それもやっぱ、自分が好きで?

iri – そうですね、はい。

– KYNEさんも5lackさんも、今福岡に住んでたり。

iri – そうなんですよ、福岡いいですよね、素晴らしい。

– いいですよね、都会だけどゆったりもしていて。

iri – 今住んでるのが逗子なんで、観光客もいないし、全然人もガヤガヤしてないし、っていうのにもう慣れちゃってるんで、割とそういうところの方が好きです。

– 曲は都会っぽさがありますよね。

iri – なんなんですかね(笑)。でもけっこう、東京にいる自分の中でイメージすることが多いかな。最近は実際に東京にいることが多いので。前はもっと、逗子にいるときの内容とか歌詞の曲もあったりしたんですけど、最近は割と東京の感じ、アーバンな感じになってきたとこはありますね。東京だと代々木公園とか好きですね、奥の方とか(笑)

– 来年はツアーがありますね。

iri – そうですね、ツアーがあるので、そこでまだ見せたことのないパフォーマンスにチャレンジしたいなと思ってますね。あと今は自分がトラックをちょっと作り始めてて、それもクオリティの高いものを作れるように勉強していこうかなという感じですね。

– トラックはどうやって?

iri – トラックはもともとGarageBandで作ってたんですけど笑。さすがにちょっとあれなので(笑)。いまはABLETONでやってるんですけど、ちょっと難しくて苦戦してます(笑)。

– 自分で作っていてどういうトラックができることが多いですか?

iri – やっぱりヒップホップぽい感じが多いですかね。あと生音のさっき言ったみたいなバンドサウンドとか、わりといろいろやってみてますけど、難しいですねなかなか。最終的には自分で全部できるようになりたいですね。

– 今度のツアーに向けてはいかがですか?

iri – 初めてのツアーなのでどんな感じになるかなって思っています。前回ワンマンでダンサーを二人入れてやったんですけど、次はもうちょっとライブ感のあるライブをしたいなと思ってるので、ちょっと、どうやったらもうちょっとライブっぽいパフォーマンスをできるかなっていう、いまやり方変えたり相談してる最中です。

– 今回のEPをリスナーに聴いてもらうにあたって、iriさん的に良いシチュエーションってどういうものでしょう?

iri – いつでもどこでもっていうのはあるんですけど、どうだろう、一人でいるときに聞くのが良かったり、まあ曲によるんですけどね(笑)。

– じゃあ、曲ごとにお願いします(笑)。

iri – 例えば”For life”は自分でこう、気合い入れるときに聴いたら絶対良いと思うし、というかそいうときに聞いて欲しい笑。”Telephone~”はどのシチュエーションでも良いかなっていうのはあります。”fruits”は自分の中で夜なんですけど、ドライブのとき良いと思います。”Moonlight flit”は、これも一人かな。”会いたいわ”も一人。わりと一人が多いですね。でも、自由に好きなときに聴いてもらえるのが一番良いかな。

– 最後に次の作品をリリースするとして、こういうテーマで作ってみたいとかありますか?

iri – テーマを決めて作ることがないので、テーマを考えてから作ってみたいなって思います。いつもわりと、今感じてることとか目の前にあるものをバーって書いて、それを作品にしてるんで、なんか一個のテーマをもってというのはやってみたいと思います。

Info

life-ep_Jsha

iri -『life ep』

2017/11/22 Release

通常盤【CD】VICL-64902 価格:1,500 円+税
初回生産分限定 紙ジャケット仕様
CD ジャケット オリジナルステッカー付属 ( 初回生産分のみ)

M-1. For life
(Music:iri / ケンモチヒデフミ、Lyrics:iri Arranged by ケンモチヒデフミ)

(Music & Lyrics:5lack / iri、Produced & Arranged by 5lack)

M-3. fruits
(Music & Lyrics:iri、Arranged by ESME MORI from Pistachio Studio)

M-4. Moonlight flit
(Music & Lyrics:iri、Arranged by YOSA from OMAKE CLUB / EILD)

M-5. 会いたいわ
(Music & Lyrics:iri、Arranged by mabanua)

Source: FNMNL フェノメナル

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