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J DillaがどのようにMPC3000を使いこなしたかを解説するムービー

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ヒップホップの歴史において、後世に多大な影響を与えるようなビートを数多く残したデトロイトのプロデューサー/ビートメイカーのJ Dilla。YouTubeチャンネル・Voxが、彼がリズムマシンで作ったビートの秘密に迫った動画を「伝説的なヒップホッププロデューサーにがどのように機械を人間らしくしたか」というタイトルで公開した。

2006年に惜しくもこの世を去ってしまった彼は生前、Erykah BaduやJanet Jackson、そしてBusta RhymesやMadlibに至るまで、数え切れないほどのアーティストやプロデューサーと共に作品を残した。そして、彼のスタイルを語る上で欠かせないのはAkaiのMPC(Midi Production Center)の存在だ。

動画は、1994年に登場したMPC3000がJ DIllaだけでなくDr.DreやQ-TIPといった多くのヒップホップ界のプロデューサーたちを魅了したと紹介。続いて、後世に大きな影響を与えたJ DillaのMPC3000の使用法について解説している。

まずは彼の特徴的なリズムパターンについて。J Dillaはロボティックなドラムマシーンのリズムを人間らしくするために「クオンタイズ」の機能をあえて使わずにリズムを作っていたことが紹介されている。「クオンタイズ」機能とは、人間がパッドを叩きながらリズムを打ち込む際に、拍から微妙にずれたタイミングで叩いてしまうのを機械が正確な拍に修正してくれる機能のことだ。多くのプロデューサーにとってこの機能の使用が当たり前だったなか、「クオンタイズ」を使わないことによって生まれるDillaのルーズなリズムは多くのアーティストに衝撃を与えたという。動画の中でThe Rootsのドラマー・Questloveは、このリズムを「酔っ払った三歳児のキックみたいだった」と語り、「これが許されるのか?と最も開放的な瞬間だった。」と当時の影響の大きさについて語っている。

また、動画の終盤では、Dillaの死の三日前に発売されたアルバム『Donut』に収録されている楽曲”Don’t Cry”における、彼の驚くべきサンプリング方法が紹介されている。1973年のThe Escortsの”I Can’t Stand(To See You Cry)”をサンプリングしているこの曲では、中盤から「これがMPCで出来ることだ」と言わんばかりのプレイを聴くことができる。通常サンプリングというと、上物が鳴らしているメロディーや歌のフレーズを基準に元の音源を切り取ることが多い。しかし、ここでDillaはメロディーを無視し、キックやスネア、シンバルといったようにドラムの音単位で原曲から音源を切り取り、これをパズルのピースようにドラムマシンのパッドに割り当てて演奏することで、全く新しい曲を生み出しているというのだ。

Source: FNMNL フェノメナル

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