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【ショートインタビュー】Cashmere Cat | ジョークのように遊び心を

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ノルウェー出身のトラックメイカーで現在はLAを拠点にしているCashmere Cat。元々ターンテーブリストDJ Finalとしても高く評価されていた彼が、EP『Mirror Maru』でCashmere Catとしてデビューを果たしたのは2012年のこと。繊細なメロディーと遊び心が交錯するその作風で、幅広い注目を集めクラブミュージックシーンを超えて注目が集まるようになり、Kanye WestをはじめThe WeekndやTory Lanezなどのアーティストにもトラックを提供するようになる。

そしてアメリカでも名前が知られるようになっていった彼は2017年にデビューアルバム『9』をリリース。前述のThe Weekndに加えAriana Grande、Kehlani、 Ty Dolla Sign、Camilla Cabelloなど豪華ゲストが参加した同作は、USのアーバンサウンド最先端をいきつつも、しかしデビュー時と変わらぬ彼らしいユーモアも注入されていた。

11月に単独公演のため来日していたCashmere Catに公演前にインタビューを行った。

取材・構成 : 和田哲郎

– 今回で3回目の日本でのライブになりますね。日本の印象を教えてください。

Cashmere Cat – 世界中で一番好きな場所かもしれないよ。日本食もすごい好きだから、なるべくたくさん食べるようにしてる。ライブ前はいつも食べ過ぎちゃうけどね(笑)日本の観客は他の国の観客と違って、新しいことを受け入れてくれるし、どんなことにもリアクションをしてくれる。すごい色々なことを試せるのが楽しいから、毎回がベストステージになる。今日行った表参道にある新しいコーヒー屋が気に入ったよ。KOFFEE MAMEYAっていうところで、見た目がすごいかっこいいんだよ。コーヒーもすごく美味しいし、店員が実験着みたいな制服を着ていて秘密の薬屋みたいなところに紛れ込んでしまったみたいで面白かったよ。

– 今年リリースされたアルバムには、本当に豪華なゲストがたくさん参加していますよね。どのようにアルバムが作られていったのか教えてください。

Cashmere Cat – 自分もまだトラックリストをみるとビックリすることがあるよ。どうやってできたかは自分でもよくわかっていないけど、ただ参加してくれたアーティストたちに以前にも楽曲を提供してきたことが、『9』を作る前にもあって。例えばThe Weekndとかね。その他にも自分から声をかけてOKをもらえたアーティストもいたし、自分でもビックリしたけど本当にありがたいことだよね。

– 『Mirror Maru』の頃からCashmere Catのサウンドには変わらず遊び心がありますよね。それこそKattenという前身のプロジェクトを立ち上げたときはジョーク的なプロジェクトとして考えてたんですよね。

Cashmere Cat – わおKattenを知ってるなんて、どうやって知ったの?クレイジーだね。初めてCashmere Catの音楽を作り始めたときは、パロディーのつもりだったんだよ。R.KellyやJeremihの曲にベッドのきしむ音や水滴の音を足してパロディーしてて、それが段々自分のサウンドになっていったんだ。だからジョークのように遊んでるのが混じってるのが自分の音といえるんだ。

– 元々DJ Finalとしてターンテーブリストのキャリアもありますよね。ターンテーブリストとしてのテクニックが、遊び心のあるサウンドに生かされてますか?

Cashmere Cat – そういう部分もあると思う、とてもいいポイントだね。ターンテーブリストとして活動していた時期に気付いたのは、自分はテクニックより音楽に興味があるってことなんだ。大会とかに出ると速くスクラッチしたりとかを求められるけど、僕は音楽がよく聴こえるようなことの方が興味があって。考えたこともなかったけど、ブートレグのリミックスを作っていたときに、ターンテーブリストとして良く聴こえるようにしていたことを思い出したかもしれないね。だから最終的に僕はいいターンテーブリストにはなれなかったんだ。音楽を作る方に興味があることに気づくのに何年もかかって、いくつものバトルで負けちゃったよ。

– Cashmere Catといえば、やはりメロディーが印象的なんですが、曲を作るときはメロディーとリズムどっちから取り掛かることが多いですか?

Cashmere Cat – 曲ごとに違うから中々難しいんだけど、メロディーが先にくることが多いかな。人によっては808だったりドラムの部分をまず作るプロデューサーもいると思うんだけど、僕はメロディーの方が多いかな。だからソングライティングの方がプロデュースより向いてるなって思うことがあるよ。でもリズムのときもあるし、そうじゃないときもあるんだけどね(笑)今回のアルバムは曲のフィーリングを重視しているよ。昔はクラブでどういう風に盛り上がる曲になるかっていうのをすごく考えていたけど、最近はクラブってマインドではなくて、例えば犬が森を歩いてて、飼い主から離れていくみたいなことを想像して書いたりするよ。もっとパーソナルなことを考えて書いてるから、クラブで盛り上がるかどうかは、あんまりもう考えてないかな。

– アルバムリリース後に取り組んでいるプロジェクトはありますか?

Cashmere Cat – アルバムリリース後は曲を作るのがもっと楽しみになったんだ。毎日のようにデモを書いてる。曲も何曲かは完成してるよ。来年の頭からどんどんリリースできるようになるんだけど、色んなアーティストとコラボをしているよ。僕がスクラッチを始めた頃からのヒーローとも仕事をしてるよ。どんなに駄作だと思っても、曲は完成させてる。作った中の一部がいい曲に仕上がっていくね。

– 今回の来日にあわせて、Seihoのリミックスが公開されてますね。あのリミックスについてはいかがですか?Seihoとはすごく昔からSNSで交流してたみたいですよね。

Cashmere Cat – 誰かがTwitterでポストをしてみたんだけど、2012年に僕とSeihoがSNSで交流してるなんて気付いてなかったんだよね。今回のリミックスは素晴らしいリミックスだし、ずっと彼のファンだったから共演できることも嬉しく思うよ。

Info

Cashmere Cat – 『9』

http://www.universal-music.co.jp/cashmere-cat/

Source: FNMNL フェノメナル

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