皆さんこんにちは。武藤将胤です。
僕は少し遅めの夏休みでアメリカに行って帰って来たところで、東京の寒さに驚いています。皆さんも気温の落差で体調を崩されないようご自愛ください。
今回は、自分の車椅子を持って行ったはじめての海外への旅でした。現地では、合計で30名ほどの方に「何てハイテクなかっこいい乗り物に乗っているんだ」「それはどこで買えるんだ」と沢山声をかけられました。その車椅子というのが、僕が乗っているパーソナル・モビリティ「WHILL(ウィル)」というテクノロジーです。
前回ご紹介したMOVE FES.では、「車椅子=障害者用の乗り物」というイメージを払拭して、皆さんに体感してもらいたいと思い、初めて車椅子にプロジェクション・マッピングをしました。お客様からもすごく好評で、皆さんがプロジェクション・マッピングされたWHILLの前で記念撮影をして下さっていて、チャレンジして本当によかったと感じています。
ちょうど一年ほど前、ALSの病気の進行によって徐々に歩けなくなり、医師から車椅子の導入を勧められたことをきっかけに調べていった中で、このWHILLと出会いました。車椅子と聞くと「障害者用のプロダクト」というイメージが強く、正直とても抵抗がありましたが、このパーソナル・モビリティWHILLと出会ったときは「このプロダクトは、車椅子というより誰もがかっこよく乗れる新しい乗り物だ」と感じてとてもわくわくしました。子供の頃に自転車やスケボーを手に入れて、わくわくしながら乗った時と全く同じ感覚でした。
病気によって仕方なく車椅子に乗るという従来の考え方ではなく、障害者と健常者の垣根を越えて、誰もが乗ることの出来るユニバーサル・デザインのモビリティが普及すれば、ハンディ・キャップを抱えた人でも、もっと前向きに車椅子を選択出来るより良い未来になると感じました。
また、僕自身もそうですが、介護保険が適用されない年齢の場合、高額な電動車椅子を手に入れられずに困っているALS患者の方も沢山いらっしゃいました。特にALSという病気は極めて進行が早く、病気の進行によって電動車椅子を手で操作することも困難になっていってしまうため、乗ることが出来る期間は限られています。そこで僕は今年の2月から、クラウドファンディングという手法で皆さんにご協力を仰ぎ、患者さんへのカーシェア・レンタルサービスを立ち上げました。今では4台のWHILLを患者さんの中でシェアしながら、楽しく乗ってもらっています。
花火大会に行かれる患者さんや、ディズニーランドに行って楽しむ患者さん、子供と公園を散歩する患者さんなど、様々なシーンで活用して頂いています。僕はこの挑戦を通じて、「すべての人に行動の自由を届けたい」と考えていました。それが実現したのは、多くの支援者の皆さんが共感し、ハンディ・キャップを抱えている方の境遇を想像して下さったからです。皆さんのあたたかな支援によってクラウドファンディングを成功させることが出来ました。これからもすべての人の行動の自由が叶えられる未来の一端を担えればと思っています。
今回は、遅い夏休みでこのクラウドファンディングの挑戦のことを振り返りながら書いています。アメリカでも、日本の新たなテクノロジーに驚いてくれる人が多くいたことが、僕自身もとても嬉しかったです。こういったテクノロジーを必要とする人の想い、行動がきかっけで生まれてくるものも沢山あるのだと日々感じています。これからも多くの患者さんを支えるテクノロジーを探し、また、活用出来る仕組みを考えていきたいと思っています。
皆さんも今自分がやってみたいと思っている夢を形にするために、ぜひクラウドファンディングという手法もひとつの選択肢に入れてみてはいかがですか?僕自身もまた挑戦を続けていきたいと思います。
それではまた次回。
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