新番組「SMASH HIT」(AbemaTV)がスタートする。この番組は4組のプロデューサーとラッパーがタッグで楽曲を制作、ヒップホップファン50人と一般客51人の計101人のオーディエンスが各チームのパフォーマンスを観てライブ審査するというものだ。
今回この企画に参加したのは、「漢a.k.a.GAMI × MINMI」「DJ IZOH × SWAY」「DJ PMX × KEN THE390」「AK-69 × MC TYSON」の4チーム。
10月9日の放送を前に「漢a.k.a.GAMI × MINMI」チームの楽曲制作に密着したディレクターズカット版を期間限定で無料公開している。
漢がイメージするのは「普段耳にしているようなポップスとは違う、濃いものが詰まった音楽」。「自分ができないことができる人と組みたい」という意向からMINMIをパートナーに指名した。そして音作りでは、MINMIと親交が深いPART2STYLEがベースの作り、そこにDJ BAKUが音を足していくスタイルが取られた。
早速3パターンのデモトラックが完成し、漢、MINMI、PART2STYLE、DJ BAKUでミーティングが行われる。しかし早くも漢のイメージと、メンバーの考えが衝突した。漢は当初「ビョークのような壮大さがあるトラック」と話していたものの、デモを聴いたMINMIは「(『SMASH HIT』という企画ならば)もっとノリの良いポップスか、感動させるバラードのほうが一発で持っていけるんじゃない? ビョークはジワジワハマっていくタイプの音楽だから違うかも」と非常に説得力のある意見を放つ。
この打ち合わせを終えた漢は「ぶっちゃけビョーク的な感じをやることに対して俺以外は否定派なのかな」と打ち明けている。しかし今回の企画に対して「いわゆるわかりやすい曲にしたくない。音楽的にカッコいいものにしたい」という信念を持っていることも明らかにした。
これを受けて、トラックメイカーチームがさらにトラックをブラッシュアップ。1つはドープなサウンド、もう1つはノリの良いものという2つ絞った。これ聴いたMINMIは「個人的にはドープなサウンドが良いけど、ノリの良い曲のほうがボスらせやすい。ボスるって盛り上げるっていうレゲエ用語なんだけど、ドープな方はボスらせづらい。歌詞の内容も伝えて、ボスらせるんだったらノリのいいほうがいい」と話すと、漢は「俺はドープは方が良いと思う。もちろんボスらせることを前提に考えるならノリがいいほうだけど、それは一般的な考え方でしょ? 俺はそうじゃなくて、カッコいいと思った音でやるべきだと思う」と自身の考えを述べた。
議論は平行線で煮詰まる雰囲気を見せたが、漢は「じゃあこういうのはどうだろう? 俺がやりたい『偏ってる音楽』に、姉さんの『ボスらせるために絶対に必要な最低条件』を足していく」と提案。MINMIを含む3人もこれに納得してようやく制作が進み出した。
MINMIはリリックについて自身の楽曲「#ヤッチャイタイ」の制作秘話を交えつつ「私は子供がいても、30代でも、40代でも女性は恋したいし、愛されたいと思ってる。でもそれで曲を書くと言ったらスタッフにドン引きされた。つまり世の中の人は“お母さん”は恋しちゃいけないと思ってるじゃないですか? でも、そこも歌うことが私のストリート魂」と語る。もともと漢はMINMIの「現場叩き上げ感を見せられる曲にしたい」と希望しており、さらに「母であり、親であるという、人間として成長した面も表現したい。また人間が争いのない世界を作るように進化しなければならないという壮大なテーマも盛り込みたい」とも話した。またMINMIも「ボスらせるハードルはかなり上がったけど、そこは諦めない」と自身のこだわりは曲げなかった。
さまざまなスタイルウォーズを経て、生まれた楽曲は10月9日の「SMASH HIT」で披露される。PART2STYLEが「バラードじゃないのに聴かせられてちゃんとダンスミュージックになってる。MINMIにとっても新しかったんじゃないか」と語った楽曲はどのように仕上がっているのだろうか?
「SMASH HIT」は10月9日、20:00~AbemaTVで放送
Source: Abema HIPHOP TIMES