サイプレス上野とロベルト吉野が9月10日(日)、東京・渋谷CLUB QUATTROにて「サイプレス上野とロベルト吉野『大海賊』リリースツアー 大航海ツアー~港にて~」の初日公演を行った。
このツアーは、9月6日に発売されたメジャーデビューミニアルバム『大海賊』のリリースを記念したもの。本ツアーでは公演毎に異なるアーティストがゲストとして登場するが、この初日公演にはお笑い芸人のマキタスポーツとラッパー・SKY-HIという異色の組み合わせが実現した。
ライブの幕開けは、アコースティックギターを持ったマキタスポーツから。芸人とは思えない歌唱力で、まず「芸人は人間じゃない」を披露した。曲中には「今日はHIPHOPのパーリィーということで、私、弾き語りで登場しました」と冗談を交えつつ挨拶し、尾崎豊の「15の夜」を音頭のリズムにアレンジした「15の夜音頭」を熱唱。さらに、「音頭のリズムは汎用性高いですからね、Suchmos(サチモス)とかでもできますよ!」「オシャレなところから引きずり降ろしてやりましょう」と言い放ち「STAY TUNE音頭」を披露するなど、軽妙なトークと本格的なライブでフロアを爆笑の渦に包んだ。
そして、ロベルト吉野が奏でるビートをバックにサイプレス上野が登場。公演初日とあってか、かなりヒートアップしているオーディエンスに向けて、あいさつ代りの新曲「GET READY」を披露する。上野の「『大航海ツアー』よろしくお願いします!」という挨拶に続き、「(俺)興奮してる! 女の子は気をつけろよ!」と吉野。そんな2人のボルテージが上がった状態のまま、ニューアルバムから「Walk This Way(アセ・ツラ・キツイスメル)」を投下するとオーディエンスもハンズアップで応え、たちまち上野と吉野のパフォーマンスに飲み込まれていく。
また、吉野がRHYMESTERの「B-BOYイズム」をサンプリングし、巧みなターンテーブルテクニックで童謡「メリーさんの羊」「チューリップ」を演奏すると、上野も負けじとフリースタイルラップでオーディエンスを沸かせる。その後、上野とは10年以上交流があるというSKY-HIがステージに登場し、フロアの温度はますます上昇。SKY-HIがフィーチャーされているニューアルバム収録曲「メリゴ feat. SKY-HI」で、息がピッタリ合ったパフォーマンスを見せつけた。
しばしステージを預けられたSKY-HIは、十八番である高速フリースタイルラップをお披露目しつつ、『フリースタイルダンジョン』のテーマ曲としてもお馴染みの「Welcome To The Dungeon」「Enter The Dungeon」など数曲をアツく歌い上げ、フロアをブチ上げた。
ライブも後半に入り再びステージに登場した上野と吉野は、夏の終わりを感じてもらえるように作ったという「サマーエンドロール」をメロウなビートに乗せて披露。また、上野はラッパーたちのハンドサインについても解説し、「ちなみにドリームハイツ、俺たちの地元では、“LA”って(ハンドサインを)出したら“ローソン行くぞ”って意味になるから」とローカルネタでオーディエンスの笑いを誘うと、“サ上ポーズ”としてお馴染みの、漢字で「上」を表すハンドサインをテーマにした「上サイン」に繋げた。
上野は最後に「『フリースタイルダンジョン』だけじゃなくて、HIPHOPは色んなヤツらが裾野を広げてくれて、武道館でやってくれてる」「喰らいついていく17年選手としてぶっかましていきたいと思います!」とベテランの意気込みを見せ、アルバムのエンディングを飾るナンバー「WHAT’S GOOD」をヘッズに届け、公演の幕を下した。
本編終了後には、上野から12月15日(金)に新宿BLAZEにて開催予定の「サ上とロ吉とセイヤ!セイヤ!セイヤ!」の告知も行われ、「12月15日までに俺たち10キロ痩せるので、その結果を見にきてください!」とPR。活動17年目にしてメジャーデビューを果たし、ますます勢いを増すであろうサイプレス上野とロベルト吉野による本ツアーは、最終公演まで見逃せない内容だ。
■「サイプレス上野とロベルト吉野『大海賊』リリースツアー 大航海ツアー~港にて~」
9月17日(日)大阪府 BIGCAT
ゲスト:Creepy Nuts(R-指定&DJ 松永)
10月15日(日)北海道 cube garden
ゲスト:Charisma.com
11月4日(土)福岡・BEAT STATION
ゲスト:般若
photo by HAJIME KAMIIISAKA
Source: Abema HIPHOP TIMES