デビュー以来、ヒットを続出してきたジョナス・ブルーが、その名も『Blue』と題されたファーストアルバムをリリース。
数々のヒット曲を網羅したアルバムについてはもちろん、リアム・ペインとのコラボ新曲”Polaroid feat. Liam Payne & Lennon Stella”やトロピカルなサウンド作りについて語ってくれました。
ジョナス・ブルーとしてブレイクするまでのキャリアについても興味津々ですよね。
——リアム・ペインとの最新シングル”Polaroid feat. Liam Payne & Lennon Stella”が実現したきっかけとは?
リアムとは、ずっと前からコラボしたいと願っていたんだ。ワン・ダイレクション時代から彼の声が大好きで、素晴らしい声の持ち主だと思っていたよ。カッコいいしね。
イギリスではラジオ局主催のイベントなどで数回会ったことがあったんだけど。その時の一緒に撮った写真を見て、いろんな人から“僕らがコラボするんじゃないか?”って噂になっていた。
もちろん僕としては“やりたい!”って思っていたよ(笑)。で”Polaroid”という曲が出来た時に、真っ先に思ったんだ。“この曲はリアムに歌ってもらおう”って。”リアム以外には考えられない”ってね。
実際リアムに曲を送ったら、彼もすごく気に入ってくれた。一緒にレコーディングして、ビデオも作ったよ。
ニューヨークのセントラルパークが舞台のビデオなんだ。とにかく素晴らしい体験だった。ずっと周りのスタッフから、そろそろ超ビッグなアーティストとコラボする時期だとも言われていたから、その条件にもリアムはピッタリだし。しかもこの曲も彼にすごく合ってるよね。すごくワクワクしてるんだ。
——リアムとのデュエット相手は、当初は他のアーティストを想定していたとか。
リアムとレノン(・ステラ)じゃなくて……そうそう、リアムとシェリルね! 当時の彼のワイフのシェリル・コールのことね(笑)
もう2年くらい前かな、SNSに書き込んでたよね。“夫婦で僕の曲にデュエット参加してくれたら最高!”ってさ。どうやらそれは叶わなかったようだけど(苦笑)
——結果、リアムとデュエットすることになったレノン・ステラとは?
レノンは新人アーティストなんだ。といっても、彼女はアメリカ本国ではけっこうビッグなスターだよ。TVドラマ『ナッシュビル』に出演している。妹のメイジー(・ステラ)と一緒に女優として。素晴らしいアーティストだよ。
彼女を知ったのは、友人を介してなんだけど、実際に彼女の声を聴いて素晴らしいって思ったよ。”Polaroid feat. Liam Payne & Lennon Stella”ではリアムが1番のヴァース、レノンが2番のヴァース、そして3番のヴァースで2人が一緒に歌う構成なんだ。
2人の息もピッタリだし、かたやすでに大物で実績もあるリアムと、かたやフレッシュな新人のレノン。そんな2人の組み合わせも最高じゃないかと思うんだ。
——ゲスト・シンガーを選ぶ基準というのは?
僕が求めるのは、個性的なキャラクター。
ラジオから曲が流れてきたり、スポティファイで聴いた時に、すぐさま分かるような声の持ち主なんだ。デュア・リパにしても、サム・スミスにしても、声を聴けばすぐに誰だか分かるよね。
同様に、新人でも”Mama feat. William Singe”を歌ってくれたウィリアム・シンジや”Perfect Strangers feat. JP Cooper”を歌ってくれたJPクーパーは、すごく印象に残る声の持ち主だと思うんだ。
そういうキャラクターを持った声、何か特別なものを持っている声を見つけたい。すごく大変なことだけど。
——”Rise feat. Jack & Jack”でコラボしたジャック&ジャックに関しては、彼らのラジオ・インタビューの話(=大人たちに子ども扱いされて、夢を追わせてもらえないという悩み)に触発されてコラボが誕生したと語っていたけど。
彼らのことはそのインタビューを耳にするまでは知らなかったんだ。本国アメリカではビッグなスターだったらしいけど。
その後YouTubeで彼らのビデオをチェックしたり歌声を聴いて“絶対彼ら自身が歌うべきだ”と思ったよ。
あの曲を書き上げてから、彼らの元に送ったら、すごく気に入ってくれた。あの曲は彼らの話にインスパイアを受けて作られたわけだから、それを彼ら自身に歌ってもらうのは、あの2人にとっても意義深いことだったと思うんだ。
——ジョナス・ブルーとしてデビューシングル”Fast Car feat. Dakota”でブレイクするまでは、いろんなタイプの音楽を作っていたとか。
11歳の頃から音楽を作り始めて、今は29歳だから、想像つくよね。長く活動してきたから、いろんな音楽を作ってきたよ。
初期はハウスミュージックをたくさん、それに飽きてからはポップミュージックに傾倒していった。
もともとポップミュージックは大好きなんだ。ああいうソングライティングも好きだし、プロダクションも好きだし、色んな方向に翼を広げられる点がポップ・ミュージックは素晴らしいよね。アーバン的要素も導入できれば、カントリー寄りにもできる。
しばらくポップミュージックに取り憑かれた後、幼い頃に聴いてたUKガラージに傾倒して、その後だよね、アヴィーチーやカイゴのような音楽に出会ったのは。すごくインスパイアを受けたんだ。
彼らの音楽にはポップソングとハウスミュージックの両方の要素が、上手くブレンドされている。ジョナス・ブルーの誕生はそこからスタートしてるんだ。
——常にポジティブな音楽を作っていた?
いや、そういうわけでもないよ。
ひどい失恋をした時もあったから、18歳くらいの時かな。当時作った曲は、あまりポジティブじゃなかったね(笑)
けっこう大失恋だったから、常にポジティブな曲を書いてたわけではないよ。でも今は、人生もキャリアもすごくハッピーで充実しているから、僕の音楽もそういう現状を反映している。変わったんだ。音楽もいっそう良くなった(笑)
——改めてジョナス・ブルーの音楽を言葉で説明すると?
僕が音楽を作る時に、まず第一に考えるのはメロディアスということ。曲を書き始める前から、そこは特に重視している。
そしてタイムレスであること。僕はいつもこう説明するんだ。100年後でもギターさえあれば”Mama feat. William Singe”や”Perfect Strangers feat. JP Cooper”は演奏できるし、いい曲だと思える。
僕の言うタイムレスな曲とは、そういうこと。メロディアスとタイムレス、というその二つが大切なポイントなんだ。
——ファーストアルバム『Blue』のテーマやコンセプトは?
僕のポジティブな考え方や生き方を、みんなに広めたい、という目標がまず明確にあった。だからポジティブな曲が満載されている。
と同時にアーティストとしてみんなに伝えたかったのは、僕がいろんなことに挑戦したり、試みようとしているってこと。全編に漲っていると思うから、そこも感じて欲しいんだ。
——これまでに発表してきたヒット曲も多く収録したのは?
初めてのアルバムだから、みんながよく知ってる曲も入れておきたいと思って。
それに、このアルバムは言わば僕自身のこれまでのストーリーでもあるわけだから全て収録しておきたかったんだ。
みんなが知っている曲、知らない曲、その両方をたっぷり収録したよ。全15曲、それにボーナス・トラックも。
——何かサプライズは?
他とは全然違ったジャンルの曲が2曲ほどあるよ。
トラップ系の曲で、これまでの僕のスタイルとはまったく違っているから、ビックリするよ。“どんなふうに受け止められるのかな?”って、ちょっと楽しみなんだ(笑)
それから、1年ほど前にYouTube Vevoのセッションで披露した”Heartbeat”という曲があるよ。その時はアコースティックで演奏したら、みんなから”すごくいい曲” ”いつ発表するの?”って楽しみにしてくれていた。
その曲を今回、ものすごくぶっ飛んだクレイジーなアレンジで完成させたんだ。日本盤だけに収録されている。この曲に対する反応もすごく楽しみ!
——アルバムのタイトルに『Blue』と付けたのは?
タイトルからして僕自身をしっかり反映しておきたくて。ジョナス・ブルーによる『Blue』ってね(笑)
——出身はイギリスのエセックス。トロピカルじゃないけど、どうしてトロピカルなサウンドを作ることに?
むしろそのせいじゃないのかな…。トロピカルな場所に行くと自然とハッピーな気分になるよね。
けど、僕はそういうトロピカルな場所の出身ではないわけで、そういう情景を思い浮かべながらトロピカルなサウンドやメロディを作っている。でも不思議なのが、そういうトロピカルなエリアに行った時には、逆に僕はそういう音楽を作らないんだよね。むしろ暗い音楽を作ってしまう(笑)
つまりトロピカルな音楽を作る上では 僕にはロンドンの曇った空や雨のほうが効果的ってことかな。
——実際にはどういう環境で音楽制作を?
もちろん家で作ることが多いけど、ブレイクしてからは、あまり家にはいることがないんだ。
実際には、どこにいてもパソコンさえあればクリエイディブになれる。飛行機の中でも、列車の中でも、すごくクリエイティブになれるよ。ツアーで旅することが多いから、パソコンさえあれば大丈夫。
——最終的な目標は?
短期間に状況が一変したから……今のような状態を維持しつつ、これからも前進していくことかな。
今の僕は、本当に最高に恵まれた状況にあると思うんだ。日本にだって来れたり、何千人っていうファンが僕の作った曲を一緒に歌ってくれたり。
夢のような毎日だから、これをこのまま続けられれば。それが一番の目標かな。もちろんもっとビッグになることも(笑)。
——これからもずっとDJ /プロデューサーとして音楽制作を続けていく?
そうだよ、それを辞めることはない。ただし、少し手を広げて才能ある人たちと契約したいとは思っているんだ。
こんなに多く才能を持った人たちが僕の作品でも歌ってくれている。“レコード契約はしたけど、その後はどうすれば?”って途方に暮れてるシンガーもけっこういるからね。
僕は自分のレーベルや出版社も持っている。新しい才能を発見したら、僕が契約して上手く育ててあげたいって思うんだ。
Jonas Blue
Blue
Universal Music
iTunes
https://www.universal-music.co.jp/jonas-blue/
Jonas Blue Album『Blue』Release Party
2018年11月27日(火)19:00〜
WARP SHINJUKU(東京・新宿)
前売4,500円
https://warp-shinjuku.jp
Text by Hisashi Murakami
Source: EDM MAXX