情熱とアイディアを持って「生活」と「音楽」を両立させている人にフォーカスを当てる対談連載「生活と音楽」。
第11回目となる今回はロックバンドWanna-Gonnaのギターボーカル竹澤浩太郎くんに話を聞いた。
今までこの連載で話を聞いてきたのは30代以上の人が多く、葛藤を超えて現在の活動に至っている人たちが多かった。けれども竹澤くんはまだ20代半ば、今までの人たちが超えてきた葛藤や悩みの最中にいてもおかしくない年代。彼の所属するWanna-Gonnaはほぼ幼馴染で結成されたバンドという事もあり、まさにその葛藤がバンドを直撃した直後のタイミング。そんな中で彼と彼らはどのように生活と音楽を続けてきたのか。
前編では竹澤君とWanna-Gonnaの成り立ちについて話を聞いた。
Interview & Text:タイラダイスケ(FREE THROW)Photo:石崎祥子
借りたCDから始まった音楽人生
タイラダイスケ(以下タイラ):今日はよろしくお願いします!じゃあまず簡単なプロフィールを伺わせてください。今何歳でしたっけ?
竹澤浩太郎(以下竹澤):今年26になります。
タイラ:社会人4年目の歳と同じっていうことですよね?生まれは横浜?
竹澤:そうです、神奈川の横浜です。小、中、高、大、院まで行ったんですけど、全部神奈川で。実家通いでした。
タイラ:音楽の目覚めみたいなところも聞いて行きたいんですけど、自発的に音楽を聴き始めたのは何歳くらいの時ですか?
竹澤:それは中1…14歳とかですかね?それまで全然(音楽には)興味なくて、たまたま席が近かった奴がアジカン(※1)のCDを貸してくれて。
※1 ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアン・カンフー・ジェネレーション)。日本を代表する4人組ロックバンド。
タイラ:中学生でもうアジカンなんだね。
竹澤:それで音楽にハマり、で、うちのバンドメンバーにもアジカンをはじめとする自分が聴いていた音楽を広めていきました。
タイラ:Wanna-Gonnaのメンバーみんな幼馴染だよね?
竹澤:Wanna-Gonnaのメンバーの5人中4人は中高一緒なんですよ。
タイラ:じゃあ中学校の時からメンバー4人は友達って感じ?
竹澤:そうですね。
タイラ:ちなみにハマったのはアジカンの何の曲だったんですか?
竹澤:「リライト」をアニメの主題歌として知ったのは記憶にあります。でも全然アジカンがどういう人たちだとかどういうバンドだとかの認識はしてなくて。
タイラ:「アニメの曲だな」っていうところから入ったってことね。
竹澤:そこで初めて日本のロックに触れて。初めて行ったライブもアジカンでした。中2~3くらいにWanna-Gonnaのベースの高山と横浜アリーナへ行ったんですよ。もうライブが何かとかも知らないまま2人で行って、もう打ちひしがれて…。
タイラ:打ちひしがれてって言うのは「すごい!」みたいな事?
竹澤:感動、ですね。すごいなって。当時、ライブのお客さんがあんなに拳上げてるとか知らなくて。あと多分当時は今ほどSNSもなかったんで、僕らの中で神格化されてたんですよね。だから、「本当にいたんだね!」っていう、まずそこから。
タイラ:なるほどね。
竹澤:だから、そういう意味では良い時代だったんだなぁと思って。
タイラ:俺もやっぱりガキの頃にライブとか行くと、「同じ声だ!」みたいな事に感動するというか。当時は全然ギターの事とかよくわかんないけど、声がCDと同じだっていうのはわかる、みたいな(笑)。
竹澤:そうですそうです(笑)!そんな感じで本当に感動して。
タイラ:じゃあ結構その時期はアジカンにズブッとハマった?
竹澤:もう最初はアジカンにズブッとですね。
タイラ:メンバー4人と中学校で仲良くなり。楽器をやろうと思ったのは?
竹澤:楽器やろうと思ったのは、中1の正月に親戚一同で集まった時に、親戚のおじさんに「男ならギターくらいやれ」って言われて。
タイラ:すごいね!英才教育(笑)。
竹澤:で、お年玉で3万くらいのギターを買って。そしたら当時同じクラスだった、Wanna-Gonnaのギターの奥津もギターを持ってたんですよね。そこでまず仲良くなって。
タイラ:「ギター一緒に練習しようよ!」みたいな?
竹澤:そうです。で、「バンドとかいいよね」みたいになって。最初僕はベースとか知らなくて、ギターが3人だと思ってて。
タイラ:なるほどなるほど(笑)。
竹澤:Wanna-Gonnaで今はベースやってる高山も仲良かったんで、「お前もギターな」て言って3人でギターやろうとしたら、なんかおかしいってなって。だから「ちょっとよくわかんないけど高山はドラムね」って言ってドラムを買わせようとしたんですけど。
タイラ:ドラムを!?
竹澤:はい(笑)。
タイラ:すごいねそれ!(笑)
竹澤:そうなんですよ。ですが、諸々の事情でドラマーにはならず。そこで高山はベースにして、「あとドラムだけだね!」みたいになったんです。当時のドラマーも含めて5人は中2のクラスが一緒で、そこで全員揃ったんですよ。
タイラ:最初はやっぱりコピーバンドとか?
竹澤:そうですね。コピーバンドを始めるとき、当時奥津はピアノが入ってるバンドも好きだったから、「キーボードは絶対入れよう」ってなって。今となっては本当良かったんですけど。で、キーボードが入ってるバンドもカバーしたりして。でもやっぱりなんか、コピバンのときは結構揉めました。
タイラ:何で?何の曲やるか?
竹澤:そうですね。何やるかで揉めて。
タイラ:さっきの話だと「そもそもこの曲鍵盤入ってないじゃねえか!」っていう曲もあるもんね。「その間俺何やってりゃいいんだよ!」っていうね(笑)。
竹澤:キーボードの小口は当時多分かなり不満だったと…だけど、「我慢して!」みたいな感じで。
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