RYUZO主宰のヒップホップオーディション番組「ラップスタア誕生」の第3回目が放送された。今回は2次審査の残り4組がフルバージョンのラップを披露した。
DAIA、Willy Wonka、Chiyoco、Tohji、LIL CRAZYに続く6人目は1次審査でHUNGERに「奇跡がおきている」と評されたElizabeth-Gだ。送られてきたラップの内容はもちろん、映像の画質、目つきの悪さ、白いタンクトップなど、すべてが極悪な雰囲気で、コロンビアマフィアのようなを圧力を醸し出していた。RYUZOもサシで会うのは気が引けたらしく、渋谷の有名ショップ「HIDE OUT」の店長を務めたことでも知られるG.O.Kを介して会いに行った。インタビューでは彼がフォークシンガーの歌詞世界にフィールしていることが明かされる。パフォーマンス動画でも「言葉を重視しているというだけあって、リリックにぬかりない感じがする」とHUNGERに評された。
7人目のラッパー・G-RODに会うため、RYUZOはOlive Oilを筆頭に日本のヒップホップシーンで独自の存在感を放ち続ける土地・福岡へ向かった。彼は元野球少年で、ヒップホップを始めるにあたり自転車で日本一周をしたという変わり種。超真面目な性格で、ストイックな性格だという。自転車旅行では駅前で自主制作のCDを売ったりしていたらしいが、そこで数々のラッパーたちと出会った。その中でも特に印象深かったのは岡山の紅桜。彼の人柄に感動したと語った。フルバージョンのラップではその真面目さが仇となったか、HUNGERに「(二次審査のパフォーマンス動画は)気負いすぎてリリックに込めた気持ちがおいてきぼりになってるような気がした。途中で言葉が入ってこなくなる瞬間もあって、もったいないと感じた」と感想を述べた。
RYUZOは石川県金沢で活動するラッパー・JIROU WONDAの元へ。地元で活動を続ける彼の家は赤線地帯にあるという。JIROU WONDAは両親が2歳で離婚しており、早くから祖母に育てられたため、それがコンプレックスになっていた。しかし2Pacの「ALL EYES ON ME」に衝撃を受けてラップに目覚めたことを明かした。フルバージョンのリリックにはそんな生い立ちをリリックに織り込んだ。これを観たKダブシャインは「この先どんな曲を作るのか知りたいと思った」と将来性について言及した。
ラストは2次審査で最年長、32歳の游久が登場。彼は24歳でラッパーを夢見て地元を飛び出したが、気がつけばもうオーバー30。現在は日給8000円の工事現場で鉄骨の塗膜をはくる仕事をしている。リリックは何冊分もノートに書き溜めた。この企画に参加したのは、アルバムの制作資金を稼ぐため。強い思いを込めてフルバージョンのラップを披露。しかしSEEDAは「(一次審査のほうが)ストーリーが好きでしたね。今回はDamn! Talk That Shit!って感じっていうか」と不完全燃焼と感じたようだ。
ここですべてのラッパーが出揃う。審査に入るとANARCHYとSEEDAは即決するが、真面目なHUNGERとKダブシャインは深く悩んでしまう。時間を持て余したSEEDAが「BANG BANG(バイ〜ン・バイ〜ン) SCARS GANG You know what I’m saying?」とハンドサインで遊ぶシーンも見られた。
最終結果は以下の通り。
5位:LIL CRAZY
4位:Tohji
3位:DAIA
2位:WillyWonka
1位:JIROW WONDA
彼ら5人が観客を前にしたライブを披露し、そこで「第1回 ラップスタア誕生」優勝者が決まる。AbemaTVでは現在見逃し配信中。
Source: Abema HIPHOP TIMES